過半数代表者の選出

労働者の代表とは、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては適正な手続きで選出された労働者代表となります。


過半数代表の選出

過半数組合および過半数代表者の選出に当たっての「過半数」とは、当該事業所の在籍者(管理職・パートタイマー・アルバイト・嘱託・契約社員・出向社員等を含める)の過半数を指します。

就業規則の改定のために労働者代表を選ぶ場合は、その就業規則が出向者に対して適用される条項もあるので、当然、出向している者にも労働者代表を選ぶ権利を与えなければなりません。

また、取締役等の役員は経営者と見なされますが、「工場長」などの肩書きがある場合でも、就業規則の管理下に置かれる場合は労働者の範囲に含められることになります。

この手続義務に違反した場合は、30万円以下の罰金に処せられることがあります。

過半数代表者への不利益取扱の禁止

使用者は、労働者の過半数代表者であること、もしくは過半数代表になろうとしたことを理由として不利益な取り扱いをしないようにしなければなりません(労基法施行規則6条の2第3項)。



労働組合が意見書提出を拒否したとき

労働組合が「就業規則の内容に賛成できないため意見書は提出できない」というスタンスで対抗してきた場合は、「就業規則案を労働組合側で検討するのに十分な期間をおいて意見書の提出を求めたが、提出しなかった」ことを証明する資料を添付して届け出れば、労基署も受け付けてくれます。

労働組合又は労働者の過半数を代表する者の意見書に労働者代表の署名押印がないことを理由として受理しない向もあるようであるが、労働組合が故意に意見を表明しない場合又は意見書に署名押印しない場合でも、意見を聴いたことが客観的に証明できる限り、これを受理するよう取り扱われたい。(s23.5.11 基発第735号、s23.10.30 基発第1575号)



同意約款

労働協約で「就業規則の作成変更については、組合との合意の上行う」という同意約款が定められているような場合は、同意を得ないで行われた作成変更は、一般には無効と考えられています。

トヨタ自動車興業事件 名古屋地裁 s25.6.24
就業規則第82条に見るように、就業規則それ自体の中にその改廃の手続きにつき制限を設け、会社の独断にては改廃をなさず分会の同意を得て行うと規定した場合、・・・就業規則中に被申請人会社は申請人分会の同意を得て就業規則を改廃すると規定した以上、右は被申請人会社に対しても当然拘束力を有し会社は分会の同意を得ずして就業規則の変更をなすことを得ず、もし敢えてこれをなすもその効力を生ぜざるものと為さざるを得ない。



複数の労働組合がある場合

単独では過半数に達しないが合算すれば過半数を超える二つ以上の労働組合が共同で意見を表明したとすれば、これを「過半数を超える労働組合」と考えてよいでしょうか。

この場合は、「過半数を超える労働組合」にはあたらないものの、多数決で上記二つの労働組合の代表者が意見を述べる機会を作ればよいとされています。


労働者の種別に就業規則を作成した場合

就業規則を正規労働者対象のものと、パートなどを対象としたものと別個に作成する場合があります。

しかし、会社としての「就業規則」とは、これらを総体として一つとしたものですから、意見聴取については、それぞれについて全労働者の過半数代表者が法定の意見聴取者となります。


パートタイマーの場合は、その意見を聴取する

パートタイマーの場合は、労基法上の法定要件ではないものの、その代表者の意見を聴くよう努力しなければなりません。

パートタイム労働法 第7条
事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。


事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針 第二・一・(二)ロ
事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所に、短時間労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、短時間労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては短時間労働者の過半数を代表する者の意見を聴くように努めるものとする。

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