年次有給休暇の発生要件

年次有給休暇の発生要件とは何ですか?
年次有給休暇は、労働者が6ヶ月以上勤務していて、かつ全労働日の8割以上出勤したときに、当然に生じます。
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年次有給休暇は法律上当然に発生する

年次有給休暇とは、労働基準法39条により、労働者の勤続が6ヶ月を超え、かつ労働日の8割以上出勤したとき当然に生じるものです。

労働者の請求をもって、初めて生じるわけではないのです。

勤続が6ヶ月を超えた日から起算して、継続勤務年数が2年(入社日から起算すれば2年6ヶ月)を経過するまでは、1年ごとに1労働日の年次有給休暇が追加付与されます。

それ以降は、1年ごとに2労働日の年次有給休暇が追加付与されます。

ただし、付与が義務づけられている日数は、1年につき最大20労働日です。

年次有給休暇の取得率は低い?

年次有給休暇の付与日数に比べて、実際の取得日数が少ないことが、長らく問題となっています。

これは、年次有給休暇を取得することに対する罪悪感や、正社員には成果主義が導入されたりするなど、取得しづらい労働環境にあることが原因であると考えられています。

最近では、パートや派遣社員等、年次有給休暇を取りにくい雇用形態が増えたことも関係あるでしょう。

政府は、2020年までに年次有給休暇の取得率を70%とすることを目標に掲げていました。
しかし、厚生労働省による「令和2年就労条件総合調査」によると、平成31年・令和元年(または平成30年会計年度)の年次有給休暇の取得率は56.3%と、ようやく50%を超えたという低い水準に留まっております。

また、年次有給休暇の取得率は、企業規模が小さくなるほど、低くなる傾向にあります。
1,000 人以上が63.1%、300~999人が53.1%、100~299人が52.3%、30~99 人が51.1%となっています。

年次有給休暇の取得率が低ければ、取得できなかった残日数は、それだけ増えることになります。

年次有給休暇は、2年を経過すれば時効により消滅するものの、労働者が退職する時には最大で40日もの未消化の年次有給休暇が残ります。
それを一括請求されてどうしようもなく困ったという相談も多く寄せられます。

8割以上出勤の要件は妥当?

たしかに、年次有給休暇の取得率が低いことの原因が、取得しづらい労働環境にあるということは否定できません。
ただ、そもそも、付与するべき年次有給休暇の日数が多いこともその一因であるように思います。

年次有給休暇の制度は、労働基準法が制定された当時から存在する制度です。
その後付与日数の増加や、計画的付与制度の導入等の変更がなされてきました。

しかし、出勤率が全労働日の80%以上であることを要件とする点は当初から変更されていません。

労働基準法が制定された昭和22年当時の法定労働時間は、週48時間でした。
それが平成9年の法改正で、現在のように週40時間制に移行しました。

その際に年次有給休暇の発生要件である出勤率について、何ら改正されなかったことは、会社にとっては非常に大きな痛手であるでしょう。

昭和22年当時は週48時間制ですから、年間法定労働時間を計算すると、2,502時間(週48時間×365÷7)となります。
その80%の出勤率は、2,001時間です。

しかし、平成9年に週40時間制に移行されたことにより、年間法定労働時間は、2,085時間となりました。
その80%の出勤率となると、1,668時間になってしまいます。

もともと年次有給休暇の発生要件が出勤率80%とされていたのは、休日が少なく、労働時間が長かったからです。

平成9年の法改正により法定労働時間の短縮が図られたのであれば、年休の発生要件である出勤率についても、96%以上(平成9年より前の2,001時間を基準に考えれば、2,085時間×96%≒2,001時間となります)に改正しないと、出勤率を要件にしている意味が希薄になってしまいます。

法定労働時間が短縮された今の時代において、出勤率が80%しかないということは、週休2日制の会社であれば、たとえ毎週1回欠勤したとしても、80%の出勤率はキープでき、しかもご褒美に年次有給休暇までもが付与されるという現状にあるのです。

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