出向と転籍

出向や転籍を命ずる場合、就業規則には何を定めておけばよいですか?
就業規則には、出向させること、および出向時の労働条件を規定して、包括的同意を得ておきましょう。これに対し転籍は、転籍命令時に個別に同意を得ることが必要です。
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出向・転籍には同意が必要

出向や転籍は、転勤とは異なり、従業員に指揮命令をする主体である会社が変更されます。

そのため、出向や転籍をさせる場合には、従業員の同意が必要です。

そして、その同意を取り付ける際には、転勤よりも厳格に行われるべきといえます。

出向の条件を規定しておく

一般的に裁判例では、従業員に出向させるには、就業規則に「会社は従業員に対して出向を命じることがある。」という出向義務に関する直接的な規定が必要だと判断されています。
そして、その規定によって、会社に出向命令権が存在することを肯定している傾向にあります(包括的同意)。

しかし、このような直接規定があれば十分だとはいえません。

出向義務に関する直接規定により出向命令権の存在を肯定する裁判例によると、当該出向が、転勤の場合と特段の差異を生じないと認められるものであったり、出向義務に関する直接規定以外にも、出向先や出向期間、あるいは出向先での身分・待遇等が定められていたりと、著しい労働条件の変更がないことを条件としているからです。

したがって、出向義務に関する直接規定に加えて、出向先(たとえばグループ企業内)や出向期間(たとえば3年間、延長する場合でも2年間)、出向社員の身分や待遇(たとえば、基本的に出向元と同水準を維持する)等を規定しておいた方が適切です。

転籍は個別に同意を得る

一方転籍は、従業員の元々の雇用先である企業から他の企業へと籍を移して他の企業の業務に従事することをいいます。
つまり、元の会社を退職することになるのです。

したがって、転籍については、就業規則に規定することによる包括的同意ではなく、転籍命令時に個別に同意を得ることが必要です。

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