Case:1 セールスで活用する!
お客様の意思決定基準が3種類あることを知ろう!
優秀なセールスマンの行動分析研修で見えてきた強力な武器!
ある会社の研修を担当しました。訪問販売で利益をバリバリ上げている会社の社員研修です。
研修の目的は、KJ法を用いてコンピテンシー(高い業績をあげている社員の行動特性)を検証する研修でした。
KJ法とは、川喜田二郎氏が考案した創造性開発(または創造的問題解決)の技法です。
手順は以下の通りです。
1.まず、テーマを設けて、それについてブレーン・ストーミングする。
(目的) →各自の頭脳に蓄えられた知識や経験を吐き出し情報として収集する
2.収集した情報は1つずつ、1枚の小さなカードに書き込んでいく。
(目的) → 情報整理しやすくする
3.カードに書かれている内容で似ているものを分類してまとめる。
(目的) → 分析しやすくする
参加者は約30名。これをグループに分けて行いました。
その際のグループ分けを、3タイプで分類しました。
人柄重視(2グループ)・結果重視(1グループ)・直感重視(1グループ)の計4グループでのブレーン・ストーミングがはじまりました。

さすがはバリバリ利益を上げている会社のセールスマンたち。
現場でどのようなことを実践しているか、意見が活発に出てきました。
ところが、出てきた意見には、素質による傾向性は特にでませんでした。
「初対面では20秒以内に商品のコンセプトを伝える」
「売り込み営業ではなく、提案営業が大切」
・・・・・
営業のハウツー本に出てきそうなフレーズが目立ちました。
次に 「自分がお客の立場で、どういうセールスをされたいか? または、どういうセールスマンだと買う気になるか?」という設問を追加しました。
今度は素質の特徴が著しく現れました。
セールスマンの立場では言いにくい事でも、客としての立場なら、言いたい放題言えるようです。
グループで意見をまとめて発表してもらいました。
人柄重視のグループは『人』、つまり『セールスマン』のことばかりでした。
特に目立ったのは「○○な人はイヤだ」という意見です。
「話すときに目をみないセールスマンはイヤだ」
「プロ面して一方的に勧めるセールスマンは絶対ダメ」
『こういうセールスマンがいい』という意見よりも、『こういうセールスマンはイヤだ』という意見のほうが活発に出ました。
結果重視の人は、ずばり「実質・中身」。
「商品はどういうものなのか?」「現状どうなっているのか?」「これを買うとどんなメリットがあるのか?」「その値段は?」など、「数字などで具体的に説明するのが当たり前」といった意見でした。
直感重視の人は、「『会社』が気になる。」と言う意見が大半でした。
聞いたことの無い社名だと、「この会社は大丈夫なんだろうか?と気になる」「まずインターネットなどで調べてから、興味があれば連絡する。」といった感じでした。
まさに、相手の人柄に左右される人柄重視、コストパフォーマンス重視の結果重視、シェアや業界でのポジションなどステータス性に影響される直感重視、といった特徴が色濃く表れた意見ばかりでした。
セールスの立場と客の立場では180度視点が違います。
同じ人間でも、違った視点から見ると、重視する点が大きく変化するというギャップを肌で体感していただきました。
さて、この結果は非常に興味深いものです。
今回、研修に参加した30名は、全員高い業績を上げている優秀なセールスマンです。
セールスマンは、日々お客様と会っています。
契約を取るために、相手をよく観察し、注意深く話に耳を傾けています。
個々の経験値や感度にもよりますが、優秀な人ほど、人の意思決定ポイントにはいくつかの種類があることを、わざわざバースデイサイエンスを学ばなくとも経験で体得しています。
だからこそ、セールスマンという立場では、素質の特徴が表面に表れないのです。
お客様の前では、柔軟にどのタイプにもなれるのです。
相手に合わせて表情やプレゼンテーション、セールスポイントを自然に使い分けているのです。
ところが、客の立場となると、一転して素質らしさが色濃く表れる。
この結果から見えてくるものは、優秀なセールスマンたちは、相手に合わせて柔軟に対応していることを意識していないということです。
いや、多少はしているでしょう。しかし重要視していない。
当たり前すぎて、今さらそこに意識がいかないのかも知れません。
極端に言うと、無意識レベルなのです。
セールスマンにとって、これは非常に重要な項目です。
無意識なので見逃しがちであり、ともすると優秀なセースルマン自身でさえ気がついていないかも知れません。
セールスマンとしてのブレーン・ストーミングの時に、「お客様の立場に合わせて・・・」といった意見がほとんど出てこなかったことが、それを裏付けています。
そのため、なかなか一般的に語られることはありませんが、
『人の意思決定パターンは大きく分けて3種類ある』ということを知っているのは強力な武器です。
通常、こうしたことを体得するには、経験を積まなければなりません。
しかし、バースデイサイエンス講座を受講した方は、グループワークを通して、自分とは全く違う意思決定パターンのタイプがあるのだということを体感しています。
時折、「営業の現場で使いたいのだが、お客様に生年月日を聞けないので使いようが無い」という意見を耳にします。
しかし、営業シーンでは、生年月日の情報はあっても無くてもどっちでもいいのです。
繰り返しますが、重要なのは、『意思決定パターンが3種類ある』ということを知っていることです。
お客様には、人柄を売り、コストパフォーマンスを売り、ステータス性を売ることを基本として、強調する部分をどこにするかを、柔軟に対応すれば良いのです。
「優秀なセールスマンは聞き上手」というフレーズをよく耳にします。
確かに話を聞いてあげるだけでお客様は喜びます。
しかし、ボーっと聞いていては時間の無駄。
聞きながら相観察し、タイプのあたりをつけるのです。
結果重視だと判断すればコストパフォーマンスを強調してみる。
反応が鈍ければ、次は人柄重視か直感重視どちらかと考えて、直感重視だと判断したらステータス性を強調してみる。
それでもダメならコンセプトを説明する・・・など、意思決定パターンに種類があることを知っていれば「これでダメならアレ」というように打つ手を変えられるのが強みなのです。
営業マンの方は、バースデイサイエンスを知っているということだけで強力な武器を手にしたと捕らえ、自信を持って頂きたいものです。
人の価値観の違いを理解する。
その人の価値観が理解できれば、ウソのようにスムーズに問題は解決できます。



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