停電で休憩を取らせた場合の残業は?

停電で余分に休憩を取らせた場合、残業させることはできるのでしょうか?
就業規則に、始業、終業時刻の繰り上げ・繰り下げ、休憩時間を変更することが規定されていること、そして、終業時刻以降の時間帯に対して割増賃金を支払うことが定められていないのであれば、通常の終業時刻以降の勤務を命じることができます。
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このコンテンツの目次
  • 始業・終業時刻と休憩時間の変更権
  • 割増賃金の原則と就業規則の規定
  • 事例詳細

始業・終業時刻と休憩時間の変更権

  • 就業規則に規定した始業・終業時刻と休憩時間の変更権を会社が事前に取得しているかどうかが重要

割増賃金の原則と就業規則の規定

  • 労働時間中に自由な休憩時間を与えることで拘束時間が延長されたとしても、実際に労働した時間が8時間以内に収まるのであれば、割増賃金を支払う義務はない
  • ただし、就業規則上の終業時刻以降の時間帯に対し、割増賃金を支払うよう定めている場合は、終業時刻以降の時間帯に割増賃金の支払い義務が生じる

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事例詳細

当社は、自動車部品の製造をしている企業です。

先日、落雷のため、当社工場周辺地域が停電となり、作業ができなくなってしまいました。

しかし、納期に追われていることもあり、すぐに休業と判断することはできず、復旧するまで、従業員に1時間の休憩を与えることにしました。

工場長

みなさん、停電のため1時間休憩とします。その間は自由にしていてください。なお、休憩時間内に送電が開始された場合は、終業時刻を繰り下げ、所定労働時間である8時間の勤務をしてもらうことになります。ご迷惑おかけしますが、よろしくお願いします。

A社員

工場長、それは納得できません。そもそも停電とはいえ、終業時刻を変更するなんて横暴です。

B社員

彼の言う通りだと思います。仮にですが、工場長の指示に従って、終業時刻を1時間繰り下げて作業をした場合、いつもの終業時刻はオーバーすることになりますから、その1時間については割増賃金が付くんでしょうか。付かないのであれば、なおさらやってられません。

工場長

ん~、こういう事態は、当社としても初めてのことで・・・。ただ、納期もありますので、ご協力お願いします。賃金については、確認します・・・。

終業時刻の繰り下げと割増賃金について

さて、会社は、1時間の休憩を付与し、終業時刻を繰り下げることはできるのでしょうか。また、割増賃金については、どのように取り扱われるのでしょうか。

まず、終業時刻の繰り下げについて、就業規則に規定した始業・終業時刻、および休憩時間が、会社と従業員との労働契約となっておりますので、この変更権を会社が事前に取得しているかどうかが重要なポイントです。その変更権を取得するためには、あらかじめ就業規則に規定しておく必要があります。

次に、割増賃金の取り扱いについて、行政解釈では、以下のように述べられています。

就業時間中の停電、または屋外労働における降雨、降雪などにより作業を一時中止して自由に休憩をせしめ、送電または天候の回復をまって作業を継続し、停電または降雨、降雪で休憩せしめた時間だけ、終業時刻を繰り下げた場合(就業規則にはこの場合について予め何等別段の定めがないものとする)、その労働時間が前後通算して8時間または週の法定労働時間以内の場合には、割増賃金の支給を要しない。

割増賃金の支払いは就業規則の規定による

したがって、労働時間中に自由な休憩時間を与えることによって、拘束時間が延長されたとしても、実際に労働した時間が8時間以内に収まるのであれば、1日の法定労働時間を超えてはいませんから、この繰り下げた1時間について、割増賃金を支払う義務はないということになります。

ただし、会社によっては、実際に何時間労働したかどうかを基準に割増賃金を支払うのではなく、就業規則上の終業時刻以降の時間帯に対し、割増賃金を支払うよう定められているケースがあります。この場合は、終業時刻を繰り下げたとしても、規定上は、あくまで時間帯に対して、割増賃金が発生することになり、支払い義務が生じることになります。

改めて就業規則の規定を確認しておこう

以上のことから、今回のケースの場合、就業規則において、会社の業務上の必要性がある場合に、始業、終業時刻を繰り上げ、または繰り下げ、休憩時間を変更することが規定されていること、そして、割増賃金の取り扱いについては、終業時刻以降の時間帯に対し、割増賃金を支払うことが定められていないのであれば、理論上、工場長は、従業員たちの意見を退け、勤務を命じることができるということになります。

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