複数の職場で働く従業員に割増賃金が発生?

複数の職場で働く従業員に割増賃金が発生?

従業員が複数の職場で働いている場合、割増賃金の計算はどのように行うのでしょうか?

→ 従業員が働いた複数の事業所での労働時間を通算して計算することになります。

目 次

  • 労働時間は通算される
  • どちらの事業所が割増賃金を支払うのか
  • 事例詳細

労働時間は通算される

  • 複数の事業所での労働時間を通算して計算する必要ある

どちらの事業所が割増賃金を支払うのか

  • 法律的には定められていない
  • しかし、後で労働契約を締結した事業主が支払うとされている

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事例詳細

ある日、北大塚商事のA総務部長は、アルバイトが退職してしまったため、代わりのアルバイトを採用するために応募者のBさんと面談をしていました。

「月曜から金曜日の午後2時から6時までの4時間、…といったような仕事をしてもらうことはできますか?」

「はい、大丈夫です。その仕事は、今までも経験がありますし、時間帯も大丈夫ですのでよろしくお願いします。」

「あ、そうですか。それはよかった。それでは時給は1,000円ですがよいでしょうか?」/p>

と、面談は順調に進みました。その後採用手続きも終了し、Bさんは北大塚商事で働き始めました。

「総務部長すみません、あのーーー、実は私の給与のことで相談があるのですが・・・」

「あぁBさん久し振りですね、今日は一体どうしましたか(もしかして昇給の要求かな・・・)?」

「ずーーーっと前から気になっていたのですが、私の給与に残業代が付いていないのですが?」

「えっ?Bさんは1日4時間勤務ですし、週5日勤務ですから法定労働時間を超えるようなことはないはずですが。」

「いいえ、私はここで働く前から池袋商店で月曜から金曜の朝6時から12時まで仕事をしているので、こちらで働いた時間の2時間は残業になります。」

「えぇ~~~、何を言っているんだ君は!!!、そもそもそんな話は聞いてないぞっ!!!」

「いえいえ、それは違いますよ。私は今まで聞かれなかったので答えなかったんです!」

「それにしても、うちで働いている時間は4時間だけなんだから、そんなの払えないよ!」

「ダメですよ、法律で決まってるからちゃんと払ってください!2年分ですよ!!」

「大体、その池袋商事ってなんだ、本当にそんな会社あるのか!?本当にそこで働いているのか(怒)!!」

さて、このケースはどうなってしまうのでしょうか。

労基法第38条では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定は通算する。」と規定されています。

さらに、「『事業場を異にする場合』とは事業主を異にする場合も含む」(昭和23・5・14 基発769号)とする通達があります。

そのため、Bさんが池袋商事で勤務しているという主張が正しければ、月曜から金曜まで1日10時間労働したことになりますから、同時に割増賃金が生じます。

次に北大塚商事と池袋商店のどちらが払うべきなのかという点については、法律で定めがないものの、「通常は、当該労働者と時間的に後で労働契約を締結した事業主と解すべき…後で契約した事業主は、契約の締結にあたって、その労働者が他の事業場で労働していることを確認したうえで契約を締結するべきであるから」(労働基準法コンメンタール)という解釈があるため、原則は後から雇用した事業主、つまり北大塚商事に割増賃金の支払い義務が生じることになります。

ただし、本件が訴訟になれば、Bさんは、池袋商店で就労していることを立証する必要が生じるのではないかと考えられます。

なお、使用者は法定時間外労働を行わせる場合、労使協定を締結し行政機関へ届け出ることが必要です。

この点については、「その労働者を一定時間以上使用することにより、時間外労働をさせることなった使用者」が手続きをしなければならないとされています。

注意が必要なのは、例えば池袋商店が、Bさんが北大塚商事でも働くことで法定時間外労働が生じることを知っている場合は、池袋商店に手続き義務が課されると解釈されることです。(労働基準法コンメンタール)

以上の通り、法律上非常にややこしい取り扱いを要するのですが、法を所管する厚労省が今年1月に出した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」でも、労働時間の把握について、「労働者からの自己申告により副業・兼業先での労働時間を把握することが考えられる」とするだけにとどまっています。

社会的に副業・兼業を認める方向になっていますが、安易に認めると問題が生じることもあるので注意が必要です。

したがって、就業規則の副業・兼業の規定は、届け出制ではなく許可制にしておく方がよいと考えます。

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