休日に行う研修は労働時間になるの?

休日に行う研修は労働時間になるの?

新入社員に対し休日に行った研修時間は、労働時間として扱うのでしょうか?

→ 研修に参加することを命じていれば、業務の一環と解釈され、労働時間として扱わなければならない可能性が高いです。

目 次

  • 労働基準法における「労働」とは
  • 強制参加か自由参加か
  • 事例詳細

労働基準法における「労働」とは

  • 労働基準法における「労働」とは、労働者が使用者の指揮監督下にある状態を指す

強制参加か自由参加か

  • 会社での研修は、それが参加を強制するものであれば労働時間として扱う
  • 強制せず自由参加のものであれば労働時間として扱わない
  • 研修を行った休日が法定休日である場合には、通常の賃金に加えて35%の割増賃金を、所定休日かつ1週の実労働時間が40時間を越える場合には、通常の賃金に加えて25%の割増賃金を支払う義務が生じる

教育研修について正しく定めておかないと、不要なトラブルに発展する可能性があります。

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事例詳細

円満銀行の総務部長Aさんは、例年通り新人社員を対象に面談と研修を行うことにしました。

面談の目的は、入社後一定期間経過した時点の新人社員の様子を把握することと、研修を再度行うことで社会人としてのマナーや業務に関する知識の定着を見るためです。

A部長は、当初の実施計画と業務の状況を確認したところ、どうも円満銀行が休みの日曜日にしか実施可能な日がありません。

A部長は、面談と研修はむしろ新人社員のためになることだから、と考え実施することにし、各部門の管理者を通じて、新人社員に日曜日に出社し面談と研修を受けるよう指示を出しました。

そして当日、面談を一通り終え、休憩をしているA部長のところに新人社員Bがやってきて話しかけました。

「A部長、今日は日曜日なんですが、今日のこの研修って残業になるのでしょうか?」

「残業?、これは君たちのためにやっているわけだから、残業になんかなるわけないだろう。実際に仕事をしているわけでもないし。」

「ですが、もともとこの日は休みだったはずですよね。それなのに会社に来いと言われているのですから、残業でもなければ仕事でもないと言われるのは納得がいきません。」

「繰り返すが、これは君たちのためにやっていることだ。昔はそんなことを言うのはいなかったが、いったい何を考えているのか。」

「・・・それは、ちょっと違うんじゃないですか?昔のことは関係ありません・・・。」

といった感じで、ちょっとした口論になってしまいました。

A部長は怒ってしまいましたが、一方のBも全く納得した様子はありませんでした。

そうこうしているうちに研修が始まるためA部長はBに研修に参加するよう指示し、口論を終えました。

労働基準監督署から通知書が・・・

数日後、A部長のもとに一通の手紙が届きました。

開封すると○○労働基準監督署からの来署依頼通知書で、「先日の日曜日のことについてお尋ねしたい」とありました。

驚愕したA部長は、顧問の社会保険労務士に相談することにしましたが、今回の研修はどのように考えるべきでしょうか。

まず法律を確認すると、労基法第32条で「1週間について40時間を越えて労働させてはならない」とありますが、労基法にいう労働させるとは通常、労働者が使用者の指揮監督下にある状態を指します。

また、解釈例規では「労働者が使用者の実施する教育(安全衛生教育等)に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益取扱による出席の強制がなく、自由参加のものであれば、時間外労働にはならない」(S26.1.20 基収第2875号)となっています。

ポイントなのは強制参加か自由参加か

研修

従って、円満銀行の研修も、使用者の指揮監督下にあるかどうかが問題であり、具体的には、参加が強制なのか自由参加なのかが大きな判断のポイントとなるといえます。

そうしますと、A部長が管理者を通じて新入社員に指示をしている点、さらにB社員と口論になった後、研修に参加することを命じていることからすると、今回の研修は強制性が強く、業務の一環と解釈されてやむを得ないと考えられます。

そして、その結果、円満銀行は研修時間を労働時間として取り扱うこととなり、面談と研修を実施した時間について、日曜日が法定休日である場合には、通常の賃金に加えて35%の割増賃金を、所定休日かつ1週の実労働時間が40時間を越える場合には、通常の賃金に加えて25%の割増賃金を支払う義務が生じます。

また、就業規則に代休と賃金の相殺についての規定があれば、代休を付与し、割増賃金部分のみを支給することで対応することは可能です。

なお、所定休日である場合であって、代休の付与日が休日出勤をした日と同一週であれば、週の所定労働時間に変化はありませので、割増賃金の支給は不要です。


労働時間・残業のトラブル

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