賃金支払日の変更について

賃金支払日の変更について

賃金の支払日を変更するとき、何に気をつけなければいのでしょうか。

→ 支払日の変更については、社員に対し3ヶ月から半年程度前に通知し、社員が対応できる期間を設けることでよいといえますが、念のため貸付金制度を設けるなどの措置も、考慮可能ではないかと思います。

目 次

  • 賃金支払いの原則と支払日の変更
  • 支払日を遅らせる場合
  • 事例詳細

賃金支払いの原則と支払日の変更

  • 労基法第24条によると、①賃金の全額を、②通貨で、③直接従業員に、④毎月1回以上、⑤一定の期日を定めて払わなければならない
  • 賃金の支払い日は毎月払いの原則または労働協約に反しない限り、労働協約または就業規則によって自由に定め、または変更しうる

支払日を遅らせる場合

  • 労働基準法の定める範囲内であれば賃金の支払い日を変更可能であることを考えれば、10日間支払いが遅れることによる金利を考慮する必要はないといえる
  • 社員に3ヶ月から半年程度前に通知して、社員が対応できる期間を設けることが重要

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事例詳細

ある日のこと、北大塚商事の社長と総務部長は、深刻な表情で相談していました。

「社長、うちの給与は昔から末締め、翌10日払いでしたが、年末年始やゴールデンウイークは、給与計算のために休日出勤をしなければいけないですし、社員の数も増えてきたので、そろそろ限界です。このままだと総務部員の不満もたまりますし、ミスの原因にもなりかねません。」

「そうか、あまり変えたくないが、限界というのならしょうがないな。しかし、どう対応しようか。」

「そうですね、締め日を変更する、例えば20日締めにするか、あるいは支払日を遅らせて20日か25日にする方法があります。私は、締め日を変更すると勤怠管理にも影響が出てきてしまうので、支払日を遅らせて20日にするほうがよいと思います。ついでに振込日が休日の場合には、支給日の前日に支給するのではなく翌日にすると、なお余裕がありますが。」

「分かりました。ミスがないようきちんと支払いたいからな。では、その方向で話を進めてください。」

早速、総務部長は、部下に指示をして、就業規則変更の準備を進めるとともに、社内説明用の資料の作成に取り掛かりました。

 

ところが、どういう経緯か分かりませんが、発表をする前に、賃金の支払日を変更することが社内で噂になってしまいました。そして、総務部長のところに、「毎月10日と決まっているのを遅らせるのは法律違反ではないか」、「10日遅れるということは10日分の金利をもらえるのか」、「住宅ローンなどの支払い日を10日にしてあるので、変更されると面倒。」等々の話が持ち込まれてしまいました。

 

さて、北大塚商事は賃金の支払日を変更できるのでしょうか。

賃金支払日の変更は労基法違反になる?

まず労働基準法を確認すると、同法第24条で、①賃金の全額を、②通貨で、③直接従業員に、④毎月1回以上、⑤一定の期日を定めて払わなければならない、としています。

そのため①~⑤に違反すると、労働基準法違反が成立してしまうのですが、北大塚商会の場合は、10日から20日に支払日を変更するだけなので、①~⑤に違反することはありません。

また、労働基準法上、「賃金の支払い日は毎月払いの原則または労働協約に反しない限り、労働協約または就業規則によって自由に定め、または変更しうる」ものとされています。

そのため、法律的には問題がないということになりますが、支払日については就業規則で定めることが必要なので、就業規則を変更し、労働基準監督署に届け出た上で、周知を図ることが必要となります。

次に、支給日が会社または金融機関の休日にあたる場合、支給日の前日ではなく翌日に支給することにする点ですが、これについても労働基準法第24条に違反する点はないので、就業規則を変更することにより変更可能です。

労働組合がある会社の場合は、労働協約についての確認が必要となりますが、北大塚商事には労働組合がないのでこの点についても特段の問題がないでしょう。

賃金支払日を遅らせることに伴う金利は?

そして、支払日が遅れることにより金利が生じるのかどうかという問題ですが、既に確認した通り、労働基準法の定める範囲内であれば賃金の支払い日を変更可能であることを考えれば、10日間支払いが遅れることによる金利を考慮する必要はないといえます。

最後に、住宅ローンの支払い等の従業員の私生活上の問題に関しては、どちらかといえば法律ではなく労務管理上の問題であるといえます。

どこまで配慮するかは会社次第ですが、一般に、締め日を変更(短縮)したために賃金の支払い額が少なくなる場合に比べると、私生活に対する影響は少ないと考えられます。

そのため、支払日の変更については、社員に対し3ヶ月から半年程度前に通知し、社員が対応できる期間を設けることでよいといえますが、念のため貸付金制度を設けるなどの措置も、考慮可能ではないかと思います。

会社の制度を変更した場合には、実態に合わせて就業規則を変更し、届け出、周知する必要があります。

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