最低賃金の適用と計算方法について

最低賃金の適用と計算方法について

最低賃金が年々上昇していますが、最低賃金の概要と罰則について教えてください。

→ 最低賃金には、地域別最低賃金と、特定(産業別)最低賃金の2つで構成され、両方適用される場合は、高い額が基準になり、それぞれ違反の場合には罰金の罰則が科せられます。

目 次

  • 2つの最低賃金と最低賃金法に基づく罰則
  • 最低賃金の計算の対象
  • 事例詳細

2つの最低賃金と最低賃金法に基づく罰則

  • 最低賃金には、都道府県ごとの地域別最低賃金のほか、産業別に定められる特定(産業別)最低賃金の2つで構成され、両方適用される場合は、高い額が基準になる
  • 地域別最低賃金についての違反は最低賃金法違反により50万円以下の罰金、特定最低賃金は労働基準法違反により30万円以下の罰金

最低賃金の計算の対象

  • 寸志は最低賃金の計算の対象にならない
  • 歩合給ならば最低賃金の計算の対象になる
  • 派遣先の事業場の最低賃金が適用される

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事例詳細

ある日、北大塚商会の北大塚社長と総務部長は、こんな会話を繰り広げていました。

「社長!、今年も最低賃金が引き上げられて、958円になってしまいました・・・。」

「そうか、2、3年前までは850円くらいだったような…なんか毎年上がっているね。」

「そうなんです。正確には2016年が932円、その前の2015年が907円、2014年が888円でした。こうしてどんどん上がっていくので当社のアルバイトの時給も、もっと上げなければいけません。」

「法律ならしょうがないが、このままだとコストがどんどん膨らむな。」

「そうなんです。アルバイトの給与を上げているので、残業代を入れると正社員の給与を超えるバイトが出てきてしまい、バランスがおかしくなってきてしまいました。このままだと正社員も見直す必要が・・・。」

「ええっ!?うちはアルバイトにだって12月に寸志を払っているし、成績(売上)に応じて毎月インセンティブだって払ってる。最低賃金っていうのはどうなっているんだ!」

「あっ!わかりました、社長!最低賃金は、都道府県によって違うので、958円より低い地域から派遣してもらえばいいのでは・・・?」

2つの最低賃金と最低賃金法に基づく罰則

社長と総務部長が話している最低賃金は、最低賃金法に基づき、使用者側に一定以上の賃金の支払いを求めるものです。

また、最低賃金には、都道府県ごとの最低額を定める地域別最低賃金のほか、都道府県ごとかつ産業別に定められる特定(産業別)最低賃金の2つから構成され、両方適用される場合は、高い額が基準になります。

審議会方式により毎年概ね10月に改定されますが、万が一最低賃金を下回る賃金しか払っていなければ、最低賃金との差額の支払いを要するほか、地域別最低賃金についての違反は最低賃金法違反により50万円以下の罰金、特定最低賃金は労働基準法違反により30万円以下の罰金になります。

寸志は最低賃金の計算の対象にならない

さて、社長は、「アルバイトにだって寸志を払っている」と話していましたが、最低賃金の計算に寸志を入れてもよいのでしょうか?

結論から述べると、寸志は対象になりません。

最低賃金は1時間当たりの額であるため、月給制あるいは日給制の場合は、最低賃金に達しているかどうかの計算が必要です。

その計算式は、日給制では(日給額÷1日の所定労働時間)、月給制の場合は、(月給÷月平均所定労働時間)となっています。

月給制の基本給と日ごとに支払う手当で構成されている場合は、両方の計算式を組み合わせます。

「歩合給」ならば最低賃金の計算の対象になる

次に、「成績に応じたインセンティブを払っている」はどうでしょうか。

これも結論を先に述べれば、北大塚商会のインセンティブがいわゆる「歩合給」であるのなら対象になります。

ただし計算方法は、(インセンティブの額÷インセンティブが支給された時期に応じた賃金計算期間の総労働時間)となります。

また、インセンティブがない時期については当然計算できないため、仮にインセンティブを除いた固定的給与が最低賃金を下回るのであれば、差額の支払いが必要になります。

その場合は毎月個別にチェックしなければならないため、固定的な賃金部分で最低賃金をクリアする方が管理の手間は省けるでしょう。

派遣先の事業場の最低賃金が適用される

最後に、総務部長は「958円より低い地域から派遣してもらえばいい」と閃いていましたが、この点はどうでしょうか。

もし総務部長がいわゆる労働者派遣のことを考えているのなら、最低賃金法13条で、労働者派遣事業で派遣される労働者については派遣先事業の事業場の最低賃金を適用する、となっているのでこの方法は採用できません。

会社が従業員のために福利厚生としてよかれと思って導入した手当でも、場合によっては未払いの割増賃金が発生する原因となることもあります。

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