手待時間と労働時間

「手待時間」は労働時間ですか？

「実労働時間」には、現実に作業をしている時間のみならず、作業と作業の間の待機時間である「手待時間」も含まれます。

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労働時間とは

労働基準法が規制している「労働時間」とは、「休憩時間」を除いた、現に労働させる時間です。

つまり、「実労働時間」のことを指します。

この「実労働時間」には、現実に作業をしている時間のみならず、作業と作業の間の待機時間である「手待時間」も含まれます。

手待時間とは

「手待時間」と「休憩時間」は、一見似ているように見えますが、異なるものです。

手待時間とは、従業員が使用者の作業上の指揮監督下に置かれている時間です。
従業員は、使用者の指示があれば、直ちに作業に従事しなければなりません。

一方、休憩時間とは、使用者の作業上の指揮監督から離脱しており、従業員が自由に利用できる時間のことです。

「手待時間」と「休憩時間」の区別に加えて、さらに、労働時間かどうかの問題は、外部研修への参加等の従業員の活動が私的な活動なのか、使用者の業務への指示なのかをめぐっても生じることになります。
使用者が参加を指示した活動であれば、その参加時間は、労働時間になります。

使用者の指揮命令下かどうか

結局、「労働時間」は、「使用者の作業上の指揮監督下にある時間または使用者の明示または黙示の指示により、その業務に従事する時間」と定義されます。

この定義を考えれば、私用電話、私的会話、トイレ休憩、喫煙等は、実労働時間にはカウントされません。

したがって、就業規則で規定されている始業から終業までの所定労働時間が、必ずしもすべて労働時間であるとはいえないことになります。