就業規則の不利益変更

有効に成立した就業規則に定める内容は、労働契約の内容になるとされています。

合理的変更の拘束力を含めた就業規則の定型契約としての効力については、労基法は就業規則のそのような実際的機能にかんがみて、作成、届出、意見聴取、周知などの手続的義務を課して労働者を保護しているのですから、それらの義務のすべての履践がその効力の発生要件となります。

ただし、常時10人未満の労働者しか使用しない使用者の就業規則の場合は、手続上の特別規制は周知義務のみであるので、同義務を履践すればよいことになります。

雇用の契約は労使双方の合意によって結ばれるものですから、変更する場合には相手の同意が必要です。

つまり、経営者が一方的に就業規則を変更しても、それが労働者に不利になる変更では、法的には無効だという可能性が高いのです。

賃金などの労働条件を変更するには、原則として、労働者の同意が必要です。

したがって、労働者の同意のない一方的変更は無効です(労働基準法2条:労働条件の決定)。

労働契約において、賃金は最も重要な契約要素であることはいうまでもなく、これを従業員の同意を得ることなく、一方的に不利益に変更することはできない。

(チェースマンハッタン銀行事件-東京地裁 H6.9.14)

また、この賃金の減額が整理解雇を避けるためになされたという主張に対して、実際には整理解雇がなされず減額措置を選択したのであるから「この措置の有効性が問題になるのであって、整理解雇という措置を選択しなかったことをもって」本件措置を有効とすることはできないし「整理解雇という措置がなされていないのに」これとの対比で本件措置が労働者にとって犠牲の少ない措置であるということもできないとしています。

また、労働者が労働条件の一方的不利益変更に同意していた場合でも、法令、労働協約、就業規則に違反しているときには、不利益変更の同意は無効ということになります(労基法13条、労組法16条、労基法93条)。

現実には、多くの会社では就業規則で労働条件を定めており、その場合は使用者が就業規則を変更することで、個々の労働者の同意を得ないで労働条件を変更することが可能です。

しかし、その場合でも労働者に不利益な就業規則の変更(労働条件の切り下げ)は、それが合理的なものでない限り労働者を拘束しません。

逆にいえば、合理性があれば、同意しない者に対しても、変更後の労働条件を適用することができます。

従業員との話し合いが不十分のまま就業規則の変更が行われると、その後の裁判で無効・差し止めの判断が下されることもあります。


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