店舗閉鎖に伴う有期契約労働者の対処

店舗閉鎖に伴う有期契約労働者の対処

店舗を閉鎖する際に、勤務地限定の有期契約労働者に対しては、どのように対処すればよいでしょうか?

→ 他店舗への異動を提案・説得する、一定の金銭の提示することも想定して退職勧奨を行う、最終的に解雇を選択するという手順を踏むとよいでしょう。

目 次

  • 店舗閉鎖と勤務地限定契約
  • 有期契約の期間途中解消
  • 事例詳細

店舗閉鎖と勤務地限定契約

  • 勤務地限定の場合、職種変更命令や転勤命令を受けることがない代わりに、特定された職種が消滅したり、勤務先が閉鎖されたときは、理論上は、解雇することになる
  • ただし、退職に伴う金銭や多店舗の勤務等を提案したかが重要となる

有期契約の期間途中解消

  • 有期雇用契約を期間途中に解消することは非常に難しい
  • できる限り期間満了まで待つことにより対処する、あるいは、期間満了までに事業所を閉鎖しなければならないのであれば、残存期間分の賃金を条件として、解決金を提示して合意退職に持っていく

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事例詳細

当社は、食品販売の会社で、都内を中心に20店舗ほど展開しています。主に各地の商店街において、店舗内で、たこ焼き、お好み焼き、惣菜等を調理し、販売しています。

各店舗3名(正社員1人、勤務地限定の有期雇用社員2人)体制で配置・営業をしており、会社全体では年々業績を伸ばしていました。しかし、1店舗のみ、立地条件が悪いということもあってか、業績が伸びなかったため、その店舗は閉鎖して、新たな場所での店舗の立ち上げを決定しました。

「社長、今回閉鎖する店舗に勤務する従業員の進退についてですが、今回の経緯を説明し、全員をそのまま新店舗に異動させることを考えていたのですが、有期雇用社員Aが、勤務地限定の契約であることを主張し、なかなか異動に同意してくれません。」

「そうか、それでは、閉鎖する店舗から一番近い店舗への異動を打診してみてはどうだ?」

「それも提案してみたんですが、困ったことに同意は得られませんでした。」

「ん~…。とはいえ閉鎖は決定事項だから、このまま異動に応じてくれないのであれば、残念だが、退職を勧めてくれ。」

「かしこまりました。なんとか応じてくれるとよいのですが…。また状況を報告します。」

さて、今後、会社はAに対し、どのような対処をするとよいのでしょうか。

店舗の閉鎖で従業員を解雇できる?

閉鎖されることになった店舗で採用され、かつ勤務地もその店舗に特定されているケースの場合、その従業員は、職種変更命令や転勤命令を受けることがない代わりに、特定された職種が消滅したり、勤務先が閉鎖されたときは、理論上は、解雇することになります。

ただし、裁判例の中では、このような従業員についても、配転の可能性を考えるべきとするものもあり、そういった点も考慮すると、当然に解雇が有効と認められるわけではありません。

退職に伴う金銭等の提案をしたか、他の就職先(他の勤務可能な店舗等)をあっせんしたか等も使用者に求められていると考えたほうが無難です。

なお、期間を定めて雇用された者の場合、残りの契約期間についても考慮する必要があると考えられ、最低限上記のような対応は、解雇の有効性を問われたときに必要な要素になると考えます。

有期雇用契約の期間途中の解消は難しい

また、原則として、有期雇用契約では、期間の定めを合意している以上、自己の都合で契約を解消できないことが前提です。したがって、その期間途中に解消することは非常に難しいと考えておくべきです。

仮に、解雇有効と判断された場合であっても、残存期間の賃金について損害賠償のリスクがあります。不要な争いをしないためには、できる限り期間満了まで待つことにより対処する、あるいは、期間満了までに事業所を閉鎖しなければならないのであれば、残存期間分の賃金を条件として、解決金を提示して合意退職に持っていくという方法が考えられます。

異動に同意しない従業員への対応手順は?

以上を踏まえ、今回問題となっているAへの対応については、1.~3.の手順で対応されるとよいでしょう。

  1. 引き続き他店舗への異動を提案・説得する。
  2. 1.に応じない場合は、一定の金銭の提示(残存期間の賃金を考慮)することも想定し、退職勧奨を行う。
  3. 2.に応じない場合は、最終的に解雇を選択する。

なお、前述の通り、1.と2.の措置を講じることは、解雇の有効性を高める上で、重要な措置であり、実務としてもこのような手順で進める必要があると考えます。

退職勧奨や解雇において誤った対応をすると、不要なトラブルに発展する可能性があります。

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