入社1ヶ月で産休・育休を請求されたら?

入社1ヶ月で産休・育休を請求されたら?

入社1ヶ月の社員から、育児休業の申し出があったとき、会社はどのように対応すればよいのでしょうか?

→ 事前に事業場ごとに労使協定を締結していれば、勤続1年未満の労働者を適用除外とすることもできます。

目 次

  • 原則と労使協定による適用除外
  • 事例詳細

原則と労使協定による適用除外

  • 原則、労働者から育児休業の申し出があったときは、拒むことはできない
  • ただし、特に中小零細企業においては、過度な負担を避けるため、法律に基づいて事業場ごとに労使協定を締結し、勤続1年未満の労働者を適用除外とすることもできる

育児休業について正しく定めておかないと、不要なトラブルに発展する可能性があります。

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事例詳細

当社は、事務用品の販売が主な、従業員数約30人の中小企業です。先日長年勤めて頂いた経理の女性社員が退職したため、この度1名を採用することにしました。

採用したのはAさんという40代前半の既婚女性で、お子さんはおらず、ご主人と2人暮らしの方です。前職でも経理を担当しており、パソコンのスキルにも優れているため即採用を決めました。

しかし、入社後1ヶ月が経過しようとしていたころ、Aさんから総務部長に、妊娠したとの報告がありました。

「社長!先日採用したばかりのAさんから、妊娠したとの報告を受けました。」

「えぇー!それはおめでたいじゃないか。それで、Aさんはどうしたいと言っているんだ?」

「初めての子供なのでぜひ出産したいとのことですが、仕事も続けていきたいそうです。無理に働いた結果、流産したとなれば大変ですね。」

「しかし、これから忙しい時期だから、このまま働かせて大丈夫なのかね。まだ入社して1ヶ月未満だし、残念だが辞めてもらって別の人を探した方が賢明じゃないか。」

「そうですねーーー。仕方ないですよね。それではそのように話をしてみます。」

総務部長は、しぶしぶAさんにこのことを伝えることにしました。

「Aさん。これから繁忙期に入るから、残業もやってもらうことになるけど、大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です。主治医にも相談して、できるだけ頑張りたいと思います。」

「かえって体調に影響が出たら会社も責任が持てないから、まだ入社して1ヶ月も経っていないことだし、残念だけどやめてもらった方がいいんじゃないでしょうか。」

「せっかく妊娠したのに、このようなことを言われるとは残念ですが、妊娠等を理由とする不利益な取り扱いは、法律で禁止されているはずです。せっかく就職できたのですから、退職したくありませんし、出産もしたいと思っています。」

「わ、わ、わかりました。会社としても、できることをもう一度検討してみます。」

こうしてAさんと総務部長との話し合いは終わり、総務部長は社長に報告しました。

「・・・そうかー、しかし、退職しないとすれば、これから一体どうなるんだ?」

「基本的には、出産予定日の6週間前から産前休業、出産後は8週間の産後休業を経て最長子が1歳6ヶ月になるまで育児休業を取得できます。」

「まだ入社して1ヶ月も経っていないんだぞ。何でそんなに休めるんだ。育児休業は長いな。」

「社長。これは当社の制度ではなく、国の制度ですから仕方ありません。確か、育児休業は、勤続1年未満の場合は適用を除外できたはずです。」

「それなら、Aさんには育児休業は適用されないということだな。その旨をAさんに伝えておいてくれ。そしたら退職も考えるかもしれないな。」

総務部長はAさんにそのことを伝えました。

「では仕方ないですが、勤続1年未満の従業員を育児休業の適用除外にするには労使協定の締結が必要なはずです。労使協定を見せて下さい。」

「えっ?!労使協定ですか?ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。急に言われても・・・」

労働者から育児休業の申し出があったときは、原則としてそれを拒むことはできません。

例外として、労使協定により、当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者を適用除外とすることができます。

しかし、逆に言えば、そうした労使協定の締結がなされていなければ、勤続1年未満の労働者からの申し出にも応じなければなりません。

少子高齢化の問題を抱える我が国においては、安心して子供を産み育てることができる職場環境を築くことは、もはや必須の状況であり、そのために育児休業等の制度は極めて重要な役割を担っているといえます。

しかし、特に中小零細企業においては、その負担が大きいのも事実だと思います。

育児休業等の意義を尊重しつつも、過度な負担を避けるためには、法律に基づいて労使協定を締結しておくことが必要です。

この労使協定は労基署への届け出義務はありませんが、36協定と同じく、事業場ごとに締結する必要があります。

労使協定の書式例については、こちらの書式例をご参照下さい。


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