就業規則の目的条文のポイント

どのように目的条文を定めたらよいですか?
就業規則は、会社と従業員の約束事ですから、目的条文には、会社と従業員が遵守すべきことを記載しましょう。
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就業規則は会社と従業員の約束事

目的条文の一般的な例として、以下のような条文がよく見られます。

第1条(目的)
株式会社 ○○○(以下「会社」という)は、従業員の服務、および就業の条件等を定めることにより、会社の目的の遂行と企業秩序の維持確立を目的として、本就業規則を定める。
② 会社と従業員は、それぞれの職務を遂行すると同時に、相協力して会社の発展と従業員の労働条件と福祉の向上に努めなければならない。
③ この規則に定めのない事項については、労働基準法その他の法令の定めるところによる。

目的条文としては、文言の多少の差異こそあるでしょうが、おおよそこのような内容であることが多いと思います。

前提として、就業規則は、会社と従業員との間で交わされる労働条件についての約束事です。

そのため、就業規則で定めた内容は、会社も従業員も遵守する必要が生じます。

履行義務と努力義務・啓発基準

③では、「就業規則に定めのない事項について労働基準法やその他の法令の定めるところによる。」と規定しています。

これは、会社にとっては極めて危険なものであり、速やかに削除するべきです。

日本は、法治国家ですから、労働基準法以外にも、数多くの法律が存在します。
法律の中には「~しなければならない。」というような履行義務を課しているものもあれば、「~するように努めなければならない。」というような努力義務を規定しているものもあります。

「労基法その他法令の定めによる」を削除する

つまり、③の規定があることで、本来努力義務であるべき内容のものが、会社と従業員との約束レベルでは、履行義務に変わると解釈される可能性が生じるのです。

もちろん、③の規定を削除したからといっても、労働基準法に定めのある規定であれば、労働基準法第13条に、「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分について無効とする。この場合において、無効となった部分には、この法律で定める基準による」と定められていることから、最終的には、労働基準法の基準が、そのまま労働契約の内容になることはあり得ます。

しかし、履行義務を課している規定ならばともかく、労働基準法以外の法律等で、単に努力義務を課しているに過ぎない規定や啓発基準に過ぎない規定までも、従業員に約束してしまうのは、会社としてリスクといえるでしょう。

「従業員の労働条件と福祉の向上」は就業規則には適さない

また、就業規則の本質は、円滑な企業運営を行うために、会社が職場規律を規定して労働者にその遵守を求めるところにあります。

そのため、「従業員の労働条件と福祉の向上に努める」というような規定は、使用者にその遵守を求めることになってしまい、就業規則の本質から外れているといえますから、②についても削除すべきでしょう。

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