年休の計画的付与に組合が反対!?

年休の計画的付与ってなに?

「今年はうちの取引先が年末年始に長期の休暇を考えているようで、当社も、取引先の年末年始の休みに合わせて、従業員に年休を取ってもらおうと思っているのだけど。普段なかなか消化できないしね。でも、年休は従業員の権利だと言うし、会社が強制して取ってもらうわけにもいかないだろうから、何かいい方法はないのかな?」

「あーーーそうですか。でもそれなら、年休の計画的付与という良い方法がありますよ。」

「年次有給休暇の計画的付与?・・・ですか。・・・それは一体どういうことなんですか?」

「労働基準法第39条第6項で『有給休暇の日数のうち5日を超える部分については…』労働者の時季指定権に関係なく、計画的付与ができることになっています。従って6日以上の有給休暇のある従業員については、会社が時季を決めるチャンスがありますよ。」

「そんな法律があるのか。それならうちの社員はみんなベテランだし、普段、有給休暇を取っていないようだから、みんな6日以上有給の残もあると思うので、利用できるな。ところで、会社にチャンスがあると言ったけど、どういう意味?会社が勝手に決められるということではないの?」

年休の計画的付与には労使協定が必要

「基本的には会社がその時季を決められると思いますけど、労使協定が必要なんですよ。」

「労使協定?それは一体誰と結ぶのですか?うちには何でも反対する労働組合があるんだけど。」

「えぇー!何ですって!!!、社長、会社に労働組合ができたのですか?いつからですか?」

「そうなんだよ。1ヶ月くらい前に、10人ほどで設立したって通知があって。それ以降、『あれを要求する』『これには反対する』って、会社の方針には全く従う様子がなく困っているところなんだ。今回の休業も会社で一斉に休みたいけど、何か理屈をつけて反対してくるだろうな。」

「それなら大丈夫です。この労使協定は、やはり同条同項で『労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により』締結することになっています。従って御社の場合、従業員数は、確か60人位いらっしゃると思いますので、民主的な方法で従業員の過半数を代表する者を選出して、その者とよく話し合って会社の求める年休の計画的付与を決めることができるはずです。」

要件を満たせば、反対の余地なし!

「へー、そうなの。じゃ、組合が反対してきて、組合員が計画的付与の期間中に所定の勤務に就くことを申し出ても無視していいの?」

「そうです。この要件を満たす限り、計画的付与に組み入れられた年休は、組合員が時季指定権を行使する余地はないので、組合員がその日に年休をとりたくないと主張しても、労使協定に定めた計画どおりの年休を付与すればよいのです。」

「それは知らなかったな。組合は何でも自分たちの主張が通ると勘違いしているから、言うべきことは言っておく必要があると思っていたところなんだ。でも組合は、それならば、組合員に休業手当を払えとか言ってくるんじゃないの。先日の台風のときも、会社を休みにしたら、うるさく休業手当を払えと言ってきたし。」

「いいえ、そのような主張は通りません。計画年休時に労務を提供させなければならない言われはありませんし、この場合、労働基準法第26条の『使用者の責めに帰すべき事由による休業』として休業手当の支払いが必要とされるわけでもありません。計画どおり、年休を付与したものとして取り扱っても構いません。」

「なるほどーーー!これでうちの会社も、取引先に合わせた年休の付与が可能になるな。」

「そうですね。それは、良かったですね!年次有給休暇の計画的付与なんて、普通あまり知られていないかもしれませんね。」


年次有給休暇のトラブル

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