サービス残業のトラブル防止策

それでは、どうすればサービス残業などのトラブルを防げるのでしょうか?

まずは、労務管理の基本である就業規則を見直すことから始めましょう。

現在の就業規則が、書店などで販売されている就業規則のひな型を流用したものだったり、同業界のひな型を流用したものだったり、あるいは作成してから相当期間見直ししていない等ではありませんか?

形骸化した就業規則はあったとしても、それでは就業規則が無いようなものです。いざという時まったく役に立ちません。

例えば、残業というのは会社の指示命令によって行なわれるべきものですから、どうしても残業を行う場合は、その理由、時間などを上司に申告し、許可を得てから残業を行なわなければならない等、残業をするための手順を就業規則で明確にしておくことが重要です。

そして、残業代の支払に関して、その計算方法や手当の内容、残業代の定額払いをする場合はその内容なども明確にする必要があります。

また、労働時間制度の見直しも必要になるかもしれません。
多くの会社では、所定労働時間が法定労働時間を大幅に下回っているため、本来は支払う必要がない残業代を無駄に支払っているケースが目立ちます。

業種や勤務形態などの実態に合わせて、変形労働時間制や裁量労働制の導入によって、所定労働時間を見直し、残業に関するルールをしっかり規定することは、無駄な残業代の支払を削減するだけでなく、社員の仕事に対する意識改革にもつながります。

就業規則の見直しは、サービス残業だけに限ったことではなく、多くの労務問題の防止に役立ちます。

社員は労働基準法をはじめとする様々な法律で守られていますが、会社を守ってくれる法律は存在しないのですから、就業規則が唯一、会社を守る憲法になるわけです。

そして、雇用契約書の存在も重要です。

パート社員や嘱託社員に対しては、雇用契約書を作成しているが、正社員には雇用契約書を作成していない会社がほとんどです。

就業規則の内容に反して雇用契約書を定めることはできませんが、社員ごとに異なる仕事の内容や賃金の額など、通常、就業規則において定めることのできない個別の条件を細かく定めることができます。

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是非、この機会に、一刻も早く会社を守るために行動して下さい。

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