36協定の上限時間と健康時間外労働時間について

36協定の上限時間と健康時間外労働時間の考え方は、どのように違うのでしょうか?
労働基準法(36協定)では、原則、1日8時間、1週40時間を超えている時間が時間外労働となります。一方、健康時間外労働時間とは、休日労働も含めた1ヶ月の総労働時間が、その月の法定労働時間を上回った時間をいいます。
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このコンテンツの目次
  • 労基法の時間外労働と健康時間外労働時間
  • 事例詳細

労基法の時間外労働と健康時間外労働時間

  • 労基法(36協定)では、原則として、日毎・週毎に、1日8時間・1週40時間を超えた時間が時間外労働となる
  • 健康時間外労働時間においては、「過重労働による健康障害の防止」という観点から、休日労働も含めた1ヶ月の総労働時間が、その月の法定労働時間を上回っているかどうかをチェックする

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事例詳細

いよいよ2020年の4月1日から、中小企業にも、時間外労働の上限規制が適用されますが、2019年4月1日に改正労働基準法が施行されて以降、当社も働き方改革に取り組み、時間外労働の削減に取り組んできました。

以前に比べれば、時間外労働は減ってきましたが、業績が好調なこともあり、この1年間で、45時間を超える時間外労働が発生した月も少なくありません。

営業部長

総務部長、3月は年度末で忙しいですよね。でも、残業も減らさなきゃいけないし・・・。

総務部長

いくら忙しいといっても、36協定には違反しないよう、注意しなければなりません。

営業部長

そうなんですけどね。今月に入って10日ほどしか経っていないのに、このままだとAさんの残業は45時間を超えてしまうかもな。

総務部長

それはいけませんね。Aさんは、今年度の月45時間超えの残業が、既に6回に達しています。今月の残業が45時間を超えると、36協定に違反してしまいます。

営業部長

しかし、年度内に対応しなければいけない案件がたくさんあるからなぁ。

そこで営業部長は、Aさんと話すことにしました。

営業部長

Aさん。今月は、残業時間が既に約30時間になっています。このままのペースだと、45時間を超えるのも時間の問題ですよ。

A社員

申し訳ありません。しかし、対応しなければならない案件がありまして・・・。

営業部長

では、案件の一部は私が対応するので、月内の残業は1日2時間までにしてください。あと、今月は、休日以外の代休日として、少なくとも2日は休んでください。

A社員

あっ、はい・・・分かりました。営業部長にお手伝いいただければ、休みを取ることができると思います。ありがとうございます!

このように、営業部長は、Aさんの時間外労働が月45時間を超えないための対策を考えました。結果的にそれ以降の残業は1日2時間以内、休日以外にも2日休むことができました。

A社員

営業部長、部長に手伝っていただいて仕事が片付きました。ご迷惑をお掛けしました。

営業部長

いやいや。休みを取ってくれたから先月の労働時間の合計は200時間で済んだし、45時間の残業には余裕をもって収められたよ。

A社員

営業部長、余裕なんてなかったと思いますよ。1ヶ月の労働時間が200時間だった、というだけですよね?

営業部長

どういうことですか? 3月は歴日数が31日の月ですから、1ヶ月の法定労働時間は40×31/7で、177時間ですよね。実際の労働時間が200時間ですから、時間外労働は23時間で45時間には余裕があると思いますけど。

A社員

36協定における時間外労働の考え方は、そう考えるのではないんですよ・・・。

36協定で定める上限時間とは、労働基準法上の法定労働時間を超える労働時間の上限をいいます。

労働基準法では、1日8時間・1週40時間が法定労働時間として定められていますから、原則として、日毎・週毎に、1日8時間・1週40時間を超えた時間が時間外労働となり、1ヶ月の労働時間を基準にするのではありません。

そして、その合計が36協定で定める上限時間の範囲内であることが必要です。

営業部長は、日々の残業時間を抑えることに加え、別途代休日を設けることにより、トータルの労働時間を短縮しようとしたのですが、既に発生している時間外労働については、別途休ませたり、他の所定労働日の労働時間を短くしたりするといった措置を講じても、時間外労働を行った事実は残ります。

一方で、営業部長の考え方は、「過重労働による健康障害の防止」という観点での健康時間外労働時間になります。

健康時間外労働時間とは、休日労働も含めた1ヶ月の総労働時間が、その月の法定労働時間を上回った時間をいいます。そのため、今回のように代休を取得したり、年次有給休暇を取得したりした場合には、健康時間外労働には計上されないこともあります。

例えば、日~土の1週間において、土日が所定休日、平日は1日8時間の所定労働時間であったとします。そのうち月、火、木、金の労働時間が10時間、水は年次有給休暇を取得した場合、労働基準法上の時間外労働は月、火、木、金の各2時間で合計8時間となります。しかし、健康時間外労働時間は、当該週の労働時間が40時間であることから、0時間となります。

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