休憩時の外出許可制はどこまで認められる?

休憩時の外出許可制はどこまで認められる?

休憩時間中の外出を許可制にすることはできるのでしょうか?

→ 休職制度の役割を踏まえ、社員が「治癒した」かどうかを、主治医や指定医の意見も聞き、判断しましょう。

目 次

  • 休憩時間の自由利用の原則
  • 例外としての許可制
  • 事例詳細

休憩時間の自由利用の原則

  • 労働基準法第34条第3項では、「使用者は、(略)休憩時間を自由に利用させなければならない。」としていることから、社員は休憩時間を自由に利用できることが原則となる

例外としての許可制

  • ただし、「休憩時間の利用について、事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を害さない限り差し支えない。」
  • また、許可制は「事業場内において自由に休息し得る場合には必ずしも違法にはならない」
  • しかし、実務上は、外出を不許可とすることは難しいため、許可制でなく届出制にとどめることが望ましい

休憩を含む就業時間について正しく規定しておかないと、不要なトラブルに発展する可能性があります。

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事例詳細

ある日、幸福駅前にある大福不動産の総務部長に電話がかかってきました。

部長が電話に出ると、相手は特に名乗りもせず、

「昨日のお昼に、駅前のパチンコ屋でお宅の紙袋もった若いサラリーマンが、他の客ともめてたよ」

と言い出しました。部長はびっくりしましたが、本当かどうか確認するため、相手にそのサラリーマンの年恰好を聞いてみました。

そうすると、確かにその相手の説明に近い社員がいるではありませんか。総務部長は真っ赤な顔をして電話を切り、すぐにその若い社員を呼び出しました。

「君らしき人が、昨日のお昼に駅前のパチンコ屋で他の客ともめているのを見たと電話があったんだが。」

「えっっ、もめたといっても多少口論になっただけで、大したことにはなっていませんから大丈夫ですよ。」

「何だって!!!やっぱり君だったのかっ!!!まさかと思って聞いてみたんだが・・・」

「あっ、いや・・・あれは、そもそも相手が悪いんです。こっちは何にも悪くなんてありませんよ。」

「相手が悪いとか、そんなことはどうでもいい!うちは地元との関係が重要だと常々社長が言っているだろう。それなのに、会社のそばで他の人と口論をするとはどういうことだ、しかも仕事中だろう。なぜ仕事中にパチンコ屋にいるんだ!」

「仕事中とは言っても、休憩時間中ですから、近くのパチンコ屋に行ったっていいじゃないですか!」

「なに?、何のために休憩室があるんだ。弁当も注文できるんだから会社にいるなら休憩室で休めばいいだろう!」

「休憩時間は自由に利用していいんですから、どこに行ったって自分の勝手でしょう!」

「ダメだ!ダメだ!!そんなの許されない!!今後は、外出などはすべて許可制にするからね!」

「何言ってんですか!そんなの違法に決まってるじゃないですか!絶対に認めませんからね!」

休憩時間の許可制は認められるの?

総務部長は話の流れから、休憩時間中に会社の外に出る場合は許可制にすると言い出し、次の日からさっそく実行し始めました。しかし、休憩時間中の外出を許可制にするのは、社員が言う通り違法なのでしょうか?

この点、労基法34条3項は休憩時間を自由に利用できると定め、さらに「休憩時間とは単に作業に従事しないだけのいわゆる手待ち時間は含まず、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間をいう」(S22.9.13 基発17号)との行政解釈がありますから社員が言うことの方が正しいように見えます。

しかし、休憩時間は就労義務がないとはいっても、使用者の拘束下にあるため一定の制限を受けることはやむを得ず、そのため休憩時間の自由利用も絶対的なものではなく、相対的なものであるとも考えられます。

そして行政解釈上も「休憩時間の利用について、事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を害さない限り差し支えない。」(S22.9.13基発17号)とされ、さらに許可制を設けたとしても「事業場内において自由に休息し得る場合には必ずしも違法にはならない」(S23.10.30 基発1575号)とされています。

原則は自由、例外的に制限できる

以上を考えると、大福不動産には休憩室が備えられているため、総務部長が許可制をとるとしたとしても直ちに違法になるわけではないと考えられます。とはいえ、そもそも労基法34条上、外出許可の申し出があった時にそれを不許可とすることは難しいと言わざるを得ないこと、また“休憩時間中の外出も、原則として自由であり、合理的な理由がある場合に最小限の態様の制限ができるに過ぎない”(菅野和夫著『労働法第10版』)ことを考えれば、許可制ではなく届出制にとどめるほうが望ましいと考えらます。

なお、大福不動産の事例では、社員がパチンコ屋に居合わせた他の客と口論に及んでいますが、これについては休憩時間の問題ではなく、企業秩序違反等があったかどうかについて別途検討するべきでしょう。


労働時間・残業のトラブル

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