面接時に必ず聞くべきこととは?
面接時に必ず聞くべきこととは?
採用時に、職歴や解雇歴、精神疾患の罹患経験などの未記載や詐称を防ぐには、どのように対処しておけばよいのでしょうか?
→ 面接時に、職歴の記載漏れがないか、退職の直接的な理由は何か、精神的なものも含めた健康状態を聞き、採用を判断しましょう。
目 次
- 面接時に必ず聞くべきことの具体例
- 事例詳細
面接時に必ず聞くべきことの具体例
- 職歴の記載漏れがないか、退職の直接的な理由は何か、精神的なものも含めた健康状態など、会社が社員を採用する際に重要視することはすべて聞く
- 問題社員とのトラブルを避けるには、採用活動が大切
事例詳細

新入社員の面接を行ない、数名の採用を決定した人事部長ですが、採用したA氏に、履歴書に記載された職歴の一部と、解雇歴の未記載が発覚しました。
さらに、もう1人のB氏は入社直後に精神疾患を発症し、過去にも罹患した経緯があったことを隠していたことが発覚したのです。
「おーい、人事部長。今回採用したA氏の職歴については、全部確認したのか?」
「はい、社長。履歴書に記載されている職歴については、ちゃんと一通り確認しました。」
「そうではなく、履歴書に記載されている職歴以外に、抜け落ちているものはないかということは確認したのか?」
「い、い、いいえ。そこまでの確認はしていませんが、しかし、何か問題でも・・・?」
「ふーむ、そうか・・・。それじゃあ、退職理由についての確認はしたのかね?」
「もちろんです。自己都合退職なのか、解雇なのかの確認はバッチリしましたが・・・」
「たとえ、退職理由に自己都合と記載していても、退職しようと思った直接的な理由を聞かなきゃ駄目じゃないか。残業時間が当初聞いていた内容よりも多いとか、上司が意見を聞いてくれないとか、他にやりたいことが見つかったとか、自己都合でもいろいろあるだろ?そうしないと本当の退職理由は見えてこないだろ?」
「そ、そ、そうですね、おっしゃる通りです。なるほど、私はそこまでは聞いていませんでした。」
「ふーむ、そうか・・・。それでは、B氏の健康状態についての確認はしたのかね?」
「はい。良好と記載された健康診断書が提出されていますので問題ないかと・・・。これがそうです。」
「・・・この健康診断書では、精神疾患に罹患しているかどうかの判断というのはできないだろ?」
「しかし社長、健康状態、特に精神的なものについてはプライバシーにあたるので、聞いてはいけないのではないですか?」
「そんなことはないんだよ。健康で働けるかどうかが最も大切な条件なんだ。業務と直接関係ないB型肝炎だとかHIVだとか聞くのは駄目だが、精神的なものも含めて、健康状態を聞くのは法律でも禁止されてないんだ。」
「しかし社長、たとえそうであっても、やはり・・・聞きづらいというのは正直あります。」
「確かにそれはある。しかし、会社としても、もし過去にそのような症状を経験したことのある人を採用した場合には、業務量とか、職場環境とか、なるべく負担を与えないように配慮する必要があるんだよ。加えて『デリケートな事柄なので、お答えしたくないということであれば、もちろんお答えいただかなくても結構です。』というような前置きをすれば、応募者に対しても失礼はないだろう。」
「しかし社長、こちらが聞いても、本人が嘘をいっていたら、結局意味がないのではないですか?」
「そうじゃないんだよ。こちらが聞いたことに対して、嘘をいっていたということが重要なんだ。履歴書や健康診断書といった書面の記載だけではなく、改めて会社が尋ねるのは、それだけ重要視している項目だからという表れなんだよ。もちろん、嘘をついていたことだけをもって解雇するのは難しいかも知れないが、嘘をついていたという事実が発覚した場合には、退職も含めて会社が有利な状況で交渉することができるだろう。」
「さすがは社長! 先のことまでしっかり考えてらっしゃいますね。でも、今後どうしますか?」
「そうだなあ。まずは、そんな人を採用した、間抜けな人間から解雇するしかないだろうね。」
採用の自由は、会社に残された最後の聖域です。一旦採用してしまうと、なかなか解雇はできません。
シンプルな話ですが、問題社員を発生させないためには、問題社員を採用しないのが一番です。
なお、面接では労務提供に関して必要な質問をすべて聞いた上で、それでも労働者が入社に際して、労務提供において大事な履歴を詐称したり信頼関係を破綻させるような嘘をついたような場合には内定の取り消しを検討できるよう、就業規則には採用取り消しを定める規定を入れておくとよいでしょう。
退職や解雇のトラブルを避けるには、採用活動が大切です。
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