無期雇用契約への転換について

無期雇用契約への転換について

無期雇用転換後の労働条件を変更することは可能でしょうか?

→ 「別段の定め」をすることにより、契約期間以外の労働条件を変更することは可能ですが注意が必要です。

目 次

  • 無期転換後の労働条件に関する注意点
  • 事例詳細

無期転換後の労働条件に関する注意点

  • 原則としては、従前の有期労働契約における労働条件と同一
  • ただし「別段の定め」をすることで、契約期間以外の労働条件を変更することは可能
  • 職務の困難度や責任の程度が増すにもかかわらず、処遇の改善がなされない場合は認められない
  • 職務内容が変更されないにもかかわらず、労働条件が従前よりも低下する場合は認められない
  • 有期契約労働者が、無期転換申込権の行使を躊躇するような「別段の定め」は認められない
  • 「別段の定め」をした場合でも、労働条件が下回る場合には、個別の合意は無効となる

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事例詳細

当社では、正社員の他に、有期雇用契約を締結している契約社員やパートが多数在籍しています。中には、勤続年数が10年以上の方もいますが、正直にいうと、退職してもらいたいと思っている方々もいます。しかしながら、当社でも人員不足の影響もあって、よほどではない限り、契約を更新してきているのが現状です。

この度、知人の社長から、「有期雇用契約を更新し続けると、無期雇用契約に転換する」という話しを聞き、その対策をどうしようかと悩んでいるところです。

「総務部長。有期雇用契約を更新すると、無期雇用契約に転換されると聞いたが本当か?」

「そうなんです。平成25年4月1日以降に締結、あるいは更新した有期雇用契約の通算期間が5年を超えると、無期に転換する権利が発生します。」

「そうすると、うちは4月1日が更新日の人が多いから、更新して平成30年4月1日からの有期雇用契約を締結すると、通算契約期間は5年を超えるってことだな。」

「そうです。その有期雇用契約期間中に、本人が無期雇用契約に転換したいと申し出れば、無期雇用契約に転換されます。」

「・・・ということは、申し出れば、翌日から無期雇用契約に転換されるのか?」

「そうではなく、有期雇用契約の満了日の翌日から無期雇用契約に転換されます。」

「無期雇用契約に転換した後は、正社員と同じ扱いになるってことか?」

「正社員と同じにはなりません。契約社員は契約社員、パートはパートのままで、雇用契約の期間が無期になります。」

「「しかしなぁ。優秀な契約社員やパートさんには、長く働いてもらいたいから、無期になってもらってもいいんだが、そうではない人たちまで、無期雇用契約に転換するのには抵抗があるなぁ。何かいい方法はないのか?」

「無期雇用契約に転換させない方法というのはなかなか難しいのではないかと思います。」

「そうなのかぁ。しかし、無期雇用契約に転換するとなれば、雇用を確保するために、転勤や職種変更にも応じてもらいたいな。これに応じられない人は、無期転換を認めないっていうのはどうだろうか?」

「うぅ~ん。どうなんでしょうか。ちょっと調べてみますのでちょっと待ってください。」

無期転換後の労働条件は、契約期間が有期から無期になる他は、原則として、従前の有期労働契約における労働条件と同一となります。

しかし、「別段の定め」をすることにより、契約期間以外の労働条件を変更することは可能です。

就業規則により「別段の定め」をする場合には、無期転換後に適用される就業規則により、労働条件が変更されることになりますが、労働契約法第7条に規定する、「就業規則の内容そのものについての合理性」が要求されます。

したがって、無期労働契約への転換にあたり、職務の困難度や責任の程度が増すにもかかわらず、それに伴って処遇の改善がなされない、あるいは職務の内容などが変更されないにもかかわらず、無期転換後の労働条件を従前よりも低下させたりする等、有期契約労働者が、無期転換申込権の行使を躊躇するような「別段の定め」をすることは、労働契約法第18条の趣旨を没却させることになり、認められないものと考えられます。

また、個々の労働契約によって「別段の定め」をする場合、有期契約労働者との合意があれば、無期転換後の労働条件として適用されることになりますが、特に、労働条件が不利益に変更される場合には、形式的な合意ではなく、自由な意思決定による真の合意があったかどうかが重要となります。

そして、個々の労働契約によって、「別段の定め」をした場合でも、無期転換後に適用される就業規則と比較して、労働条件が下回る場合には、個別の合意は無効となり、適用される就業規則に規定する労働条件が労働契約の内容となりますので、注意が必要です。

無期転換について正しく定めておかないと、不要なトラブルに発展する可能性があります。

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