高齢者が無期転換の申し込みをした場合

高齢者が無期転換の申し込みをした場合

新たに雇用した高齢者が無期転換を申し込んだ場合には、無期労働契約が成立するのでしょうか?

→ 新たに雇用した労働者は無期転換の特例の対象とならないため、労働者が申し出れば無期労働契約が成立します。

目 次

  • 無期転換の原則
  • 無期転換の特例
  • 事例詳細

無期転換の原則

  • 同一の使用者との間で締結・更新された有期労働契約の通算契約期間が5年を超えた場合に、当該有期契約労働者が、無期労働契約への転換を申し込んだ場合は、現に締結している有期労働契約の契約期間の満了後に無期労働契約が成立する

無期転換の特例

  • 例えば定年後に引き続いて雇用される高齢者には、無期転換の原則は適用されない
  • 特例の適用を希望する場合は、労働局か労基署に「第二種計画認定申請書」を提出し、認定を受ける必要がある
  • ただし、新たに雇用されたり、あるいは定年前から有期労働契約により雇用され、更新の過程で定年年齢を超えたりした場合は、特例の対象とならない

無期転換について正しく定めておかないと、不要なトラブルに発展する可能性があります。

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事例詳細

当社は、従業員30名程度の運送会社です。業績が好調なため、増車して事業を拡大していきたいと考えております。

できれば、当社でも高齢化が進んできていることもあって、積極的に若手を採用したいと考えているのですが、人手不足の影響のせいか、なかなかうまくいきません。

「総務部長。ちょっと確認したいんだが、最近は求人募集の状況はどうなんだね?」

「だめですね。特に若手に限っていえば、全然応募がありません。若手は引き続き募集するとして、事業拡大のためには、高齢者でも採用した方が良いのではないでしょうか。」

「そうだなー。若手も必要だが、健康であれば高齢者でも採用していくことにするか。」

当社の定年は60歳です。定年後に1年ごとの有期雇用契約で再雇用された社員が現在2名いるのですが、この度、60歳のAさんから応募がありました。

Aさんは、前職では工場の製造現場で働いており、前職の定年を機に退職して、当社の求人に応募してきたようです。

選考の結果、Aさんは、過去に運転手の経験もあり、健康上も問題ないことから、1年ごとの有期雇用契約として、採用することとなりました。

1年ごとの有期雇用契約を更新して5年が経過しました

その後、Aさんは、勤務態度や協調性の面において、若干問題があったものの、健康上問題がなかったため、1年ごとの有期雇用契約を更新して、いつしか採用から5年の月日が経過し、現在は平成30年4月となりました。

そのような折、定年後雇用された社員(当時61歳と62歳)は、66歳と67歳になった今も元気に勤務しておりますが、Aさんについては、5年を経過することになる今回の契約で終了しようと考えています。

そこで、労働契約期間終了の6ヶ月前となったある日、総務部長はAさんを呼び出し、労働契約の終了について、話をすることにしました。

「Aさん。実はですね、今日お呼びしたのは、労働契約のことなんですが・・・。」

「私も、労働契約に関しては、総務部長にお伝えしなければならないと思っていたところでして・・・。」

「・・・?、・・・あっそうなんですか。・・・では、Aさんの方から先にお話しください。」

「はい。私は前職を定年後、御社に採用して頂き、今の契約でもう5年を超えることになりますので、契約期間を無期に転換してもらいたいと思っています。」

「な・な・なんですって!!いま、無期雇用に転換して欲しいって言いましたか!?」

「はい、そうですよ。ですから、今の契約が5年を超えますので、無期雇用に転換してもらいたいんです。」

「それはできません。当社を定年退職して、再雇用している2人だって、毎年労働契約を更新しているんですよ。」

Aさんは無期転換ルールの特例に当てはまる?

平成25年4月1日施行の改正労働契約法により、同一の使用者との間で締結・更新された有期労働契約の通算契約期間が5年を超えた場合に、当該有期契約労働者が、無期労働契約への転換を申し込んだ場合は、現に締結している有期労働契約の契約期間の満了後に無期労働契約が成立することになります。

これは、平成25年4月1日以降に締結・更新された労働契約の通算契約期間が5年超であることが要件ですので、平成30年4月1日以降は通算契約期間が5年超となるケースが生じ、無期転換の申し込みがなされることが想定されます。

しかし、この無期転換ルールには特例があり、例えば、定年後に引き続いて雇用される高齢者には適用されません。

ただし、定年退職を経ずに雇用される高齢者、例えばAさんのように、当社と関係性のない会社を定年退職した後に新たに雇用されたり、あるいは定年前から当社に有期労働契約により雇用され、更新の過程で定年年齢を超えたりした場合(有期労働契約には定年という概念はありません。)には、定年退職を経ていないため、特例の対象とはなりません。

なお、特例を受けるには、会社は、所轄の労働局、あるいは労基署に、「第二種計画認定申請書」を提出し、認定を受ける必要があります。

 

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