試用期間中の解雇

試用期間中であればいつでも解雇ができますか?
試用期間中だからといって簡単に解雇できるわけではありません。話し合いで労働契約を解消することが一番です。
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試用期間中の解雇も自由ではない

試用期間中の従業員を本採用をしないと決定したときには、どうすればよいのでしょうか。

従業員から「辞めます」という申し出がなければ、会社から労働契約を解消することになります。

つまり、「解雇」をすることになるのです。

ただし、試用期間中だからといって解雇が自由であるわけではありません

もちろん、解雇をする合理的な理由が必要です。
また、試用後14日を過ぎていれば、解雇予告か解雇予告手当の支払いも必要です。

試用期間中の解雇と正社員の解雇との違い

試用期間中の解雇には、正社員の解雇とは違った特徴があります。

試用期間中の者の労働契約は「解約権留保付の労働契約」なので、いざという時には正社員の解雇よりも広い範囲で解約権の行使が認められると考えられているのです。

この「広い範囲」には明確な基準はないのですが、出勤率がひとつの参考になります。

たとえば、試用期間中の者が勤怠不良だとします。
一般的に、出勤率が8割程度であった場合には、極めて出勤率が悪いといえます。
仮に試用期間を終了して正社員になった後であれば、出勤率が8割以上である限り、解雇理由にはならないでしょう。
なぜなら、出勤率が8割以上なら年次有給休暇というごほうびが与えられると、法律で決まっているからです。(労働基準法第39条)

これに対し、試用期間中であれば、出勤率が8割以上であっても解雇が有効と判断される場合があるというのが、「広い範囲の解約権」のイメージです。

かなり前の裁判例で、事案も特殊なのですが、試用期間中の出勤率が90%未満、または3日以上無断欠勤した場合には本採用しない旨の内規がある場合に、出勤率が84.4%、無断欠勤が1日あったことを理由として、解雇が認められたケースがあります。(日本コンクリート事件 津地判 昭和46年5月11日)

話し合いでの契約解消に努める

試用期間中の解雇は正社員の解雇よりハードルが低いとはいえ、解雇が自由なわけではありません。

「労務問題解決 試用期間中は簡単に解雇できるのか?」でも解説しているとおり、客観的・合理的な理由がない解雇は、解雇権の濫用と判断される可能性があります。

ただし、日本の雇用社会においては、試用期間中を経て正社員に登用されなかった場合には、労働者もそれを受け入れてくれる雇用慣行が、いまだに存在しています。

就業規則には、「本採用することが不適格であれば解雇する」等と規定しておいた上で、実務上は、いきなり解雇という選択肢を選ぶのではなく、話し合いで契約解消することが一番よいでしょう。

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