休職規定に大企業の就業規則を流用?

休職規定に大企業の就業規則を流用?

中小企業の就業規則に、大企業で一般的な休職規定を参考にしても問題ないのでしょうか?

→ 当該企業が守ることができないような、長期間の休職期間を設けることは避け、実態に即した休職制度を検討しましょう。

目 次

  • 休職期間の規定
  • 事例詳細

休職期間の規定

  • 休職期間など、労働基準法に規定のない労働条件については、企業ごとの検討が必要
  • 就業規則には、当該企業が守れることを規定する

休職について正しく定めておかないと、不要なトラブルに発展する可能性があります。

就業規則への具体的な記載方法は、以下のセミナーで詳細を解説しています。セミナー参加者特典として、無料個別相談で疑問点をすべて解消することもできます。


「会社を守る就業規則」徹底解説セミナー

今後の開催予定

2017/12/15(金) 受付開始 9:30 セミナー開始 10:00~17:00
2018/01/19(金) 受付開始 9:30 セミナー開始 10:00~17:00
2018/02/16(金) 受付開始 9:30 セミナー開始 10:00~17:00

「会社を守る就業規則」徹底解説セミナーの詳細

事例詳細

当社は、東京郊外に本社を構える創業15年目の自動車関連部品の製造を営む会社です。

従業員数は約150名程で、技術力には定評がある地元の優良企業です。

入社7年目となる、営業社員のA社員は、今年に入ってから、うつ病になって体調を崩し休職に入っています。

「おーーーい営業課長。そう言えば、確か営業課で、もう半年近くも休職している社員がいたと思うんだが、もうだいぶ調子はよくなったのかい。」

「はい。毎月1回程度、私からメールで状況を聞くようにしているのですが、まだ体調は思わしくないようです。」

「そうか・・・。それにしても、うつ病というものはなかなか厄介な病気なんだな。それで休職は、いつまでなんだ。」

「はい。当社の就業規則ですと、勤続5年以上10年未満は、1年6ヶ月になっています。」

「なにーーーっ!?い、い、1年6ヶ月だって?なんだその大盤振る舞いの休みは?」

「はい。勤続5年以上10年未満の者は、1年6ヶ月です。ちなみに、勤続10年以上20年未満の者は2年、そして勤続20年以上は3年というふうに規定されていたと思いますが。」

「お、おいっ。そんなに長~い間休職できるのか?まるでお役所じゃないか。うちは、中小企業なんだぞ。」

「そ、そ、そう言われましても・・・。A社員を休職させるときには、社長の決裁も経ておりますし・・・。」

「そ、そ、そうだったな。そのときは私も、まさかそんなに長引くとは思いもしなかったから、特に気にも留めなかったんだなぁ。あぁ、ちょっと、総務部長を呼んできてくれないか。あと、うちの就業規則も持ってくるように。」

「はい!社長、わかりました。すぐに総務部長を呼んできますので少々お待ちを・・・。」

「これはこれは社長、私をお呼びでしょうか。営業課長が血相変えて来たんで何事かと・・・。」

「おーーー、総務部長、忙しいところすまんな。いや、うちの就業規則を作成したのはいつ頃だったかな~?」

「確か私が、社長から声を掛けて頂いた後、銀行を辞めて当社に入社したのが、今から約10年前でしたから、それくらいだったと思いますが・・・。」

「ふーーーむ、なるほど。・・・で、そこから、うちの就業規則は変更されていないのか?」

「いえ。そんなことはありません。もともとうちには就業規則と呼べるものが無かったので、私が総務部長として入社したのを機に、前職の会社の規則をもとに作成しました。しかし、その後は法改正もありましたし、それに準じて規則は随時変更しております。」

「そうか。それでは、うちの休職に関する規定については、10年前から変わらず、しかも、君の前職の就業規則が元になっているということだな。」

「はい、そうなりますが、社長。しかし、何で今さら休職の規定のことを・・・?」

「私にも責任があるから、今となってはしょうがないんだが、実は、営業課長と、休職中のA社員の件で、いつまで休職しているのかという話になってな。」

「はい。就業規則によれば、A社員は勤続7年ですから、えぇ~と、1年6ヶ月の休職期間となっておりますので、最長であと1年強の休職期間があることになります。」

「いや、それは、分かっているんだが。確かにこれまで当社には、休職を利用する従業員はいなかったから、あまり気にしなかったのだが、休職期間というのは、通常はどの程度なんだろうか。」

「それは、企業によって様々だと思いますが、少なくとも私の前職の就業規則ではこのように規定されているので、比較的オーソドックスな期間ではないかと思いますが・・・。」

「君の前職は、銀行だろう。銀行なら、従業員数も多いし、1人や2人の従業員が欠けても大勢には影響ないだろう。しかし、うちは中小企業だからな、1人や2人欠けても問題ないというわけにはいかんのだ。」

「そうですね。社長のおっしゃる通りですな。大企業の就業規則を流用すると、こんなところに落とし穴があったんですね。」

「せっかくの機会だしな。A社員については、当然現行の規定を適用するとしても、やはり、うちのような中小企業に合った休職期間に変更してみたらどうだ。」

「社長、わかりました。すぐに着手します。私も今の今まで、うっかり気が付きませんでした。」

就業規則は、会社と従業員との約束事を定めるものです。労働基準法は、企業規模や職種、あるいは地域に関係なく、すべての労働者に一律に適用されてしまいますが、労働基準法に規定のない労働条件については、やはり当該企業ごとに検討することが必要と言えるでしょう。

うつ病

例えば、今回のテーマである休職期間は最たるものです。休職という制度は、昭和30年代から40年代にかけて、優秀な人材は皆、官公庁に就職するという実態を受けて、民間でも優秀な人材を確保しようとした結果、官公庁の休職制度を真似て規定したものと言われています。

このように、親会社や取引先の就業規則をベースに作成したりすれば、どこか自社に合わない部分があることが想定されます。ましてや、労働基準監督署から貰ってきた雛形を参考に作成するなど、最悪です。

就業規則には、当該企業が守れることを、規定するようにしましょう。


健康問題のトラブル

サブコンテンツ

このページの先頭へ