入社後すぐに休職を申し入れてきたら?

社員が入社してすぐ休職制度の利用を求めてくるような事態に対して、どのように備えておくべきでしょうか?
就業規則に正しく規定しておく必要があります。たとえば、「勤続1年未満の者には休職制度を適用しない。」と規定することが考えられます。
このコンテンツの目次
  • 休職制度の目的と規定する内容
  • 事例詳細

休職制度の目的と規定する内容

  • 休職制度は、終身雇用制度に由来し、これまでの会社に対する貢献度を勘案して適用するもの
  • 勤続年数が少なくとも1年未満の人については、休職を適用させる必要はないと考えられる

労務問題一発解決バイブル無料購読

労務問題を未然に防ぎ、例えトラブルが発生しても、損害を最小限に抑えるために「社長のための人事労務の勘所」をわかりやすく解説しています。下のボタンから無料購読できます。

事例詳細

7月に入り、4月に入社した社員も、全員が試用期間を終え、正社員として登用されることになりました。

そして、正社員になって1ヶ月が経過したころ、営業マンとして外回りを担当するようになったA社員の様子がおかしいとの報告がありました。

総務課長

あの・・・社長、少しお話しがありまして・・・、実はですね、最近A社員の様子が少し変なんですよ。

社長

おお、どうしたんだ総務課長? A社員の様子が少し変って、どこか体でも悪いのか?

総務課長

はい。これまでは、特に問題なかったのですが、最近は欠勤が目立つようになり、今週になってからは、ずっと欠勤しているんです。

社長

最近は特に暑いからなー。頑張り過ぎて、体調崩してしまっただけじゃないのか。

総務課長

そうですねー。かなり暑いですからねー。でも、それだけならよいのですが・・・。

社長

なんだ、他に何か思い当たることでもあるのか? 恋の悩みとか、お金の悩みとか?

総務課長

最近は顔色も悪く、確かに体調も悪そうでした。試用期間が明けた直後辺りから、仕事中ボーっとしている時があったり、営業課の懇親会にもこなくなったり、明らかに様子が変なんです。

社長

ふーむ。それで、本人は病院には行っているのか? 医者に診せなきゃ分からんだろ。

総務課長

先ほど、本人から電話がありまして、今日病院に行くといっていました。週明けには一度出社したいといっておりましたので、一応念のため診断書を持参するようにいっておきました。

社長

おーそうか。それでは、週明けにA社員と面談して、結果を報告してくれ。

総務課長

はい、分かりました社長。大したことがなければいいんですけど、診断書を見ないことには・・・。

そして、A社員は週明けに予定通り出社し、営業課長と面談をすることになりました。

A社員の顔色は、あまりよくありません。加えて元気もなく、下を向いたまま診断書を差し出しました。

診断書には、「傷病名:うつ状態 上記により、現在通院加療中。著しい抑うつ感、不安感、全身倦怠感、不眠等の症状が認められ就労困難な状態にあり、治療のため今後約3ヶ月間の休養を要すると判断します。」と記載されていました。

総務課長

うぅ~ん。うつ状態かぁ。体が一番大事だから、十分休養してもらいたいが、まだ有給休暇もないし、発生しても10日間だけだからなぁ。3ヶ月の休養となると、不足してしまうなぁ~。

A社員

課長。就業規則に、休職という制度がありますので、これを利用させていただきたいのですが・・・。

総務課長

休職は、確かに就業規則には規定されているけど、君はまだ勤続6ヶ月にも満たない状況だから・・・、利用できるかどうか私には判断がつかないから、社長に確認してみるよ。

A社員

よろしくお願いします。でも課長、就業規則にはこのように規定されていますよ。

そういってA社員が指し示した就業規則には、確かに「勤続5年未満の者は、休職期間は6ヶ月」と規定されていました。

総務課長

休確かに規定されているけど・・・。私の方から社長に確認してみるよ。君の症状も合わせて報告して、また明日にでも連絡します。

こうしてA社員との面談が終わり、その後A社員からの診断書を社長に提出し、面談内容を報告しました。

社長

う、う、うつ状態だって?! うつ病なんて、うちの会社には無縁だったのになー。

総務課長

はい。3ヶ月の休養を要するということで、本人は、休職制度の利用を求めています。

社長

うつ状態っていうのは、もっと長引くケースもあるんだろ? それに入社して半年も経たないのに、休職なんてどうかと思うが。・・・だって、つい半年前までは、元気だっていって採用されたんだろ?

総務課長

はい。ですが就業規則で、「勤続5年未満の者は、休職期間は6ヶ月」となっていますから、休職を利用させないのは、なかなか困難ではないかと。

社長

やむを得んなー。だが、今後、同じようなケースが出ないとも限らん。何とか対応策はないのか?

総務課長

就業規則上、当然に休職が適用される状態にしておくのではなく、たとえば「勤続1年未満の者には適用しない。」というただし書きを入れておいたらどうでしょうか。そうすれば、勤続1年未満の者に、結果として休職制度を利用させることになったとしても、特別に休職が適用されている状態ですから、休職期間が満了により退職になりますという話もしやすくなると思います。

社長

おーそうだな。それは当然だな。しかし、何で今までそうなっていなかったんだ。すぐに取り掛かってくれ。

総務課長

分かりました。きっと、うちの就業規則のベースとなったひな型に問題があったのではと・・・。

社長

ひな型のせいにするな! それは君が作ったんだろーっ! さっさと取り掛かれ!

うつ病

休職とは、従来からの日本の労使慣行である終身雇用制度に由来し、これまでの会社に対する貢献度を勘案して適用するものです。

ですから、勤続年数が少なくとも1年未満の人については、貢献度という側面からして、休職を適用させる意味はないのではないでしょうか。

就業規則における休職期間には、その点も規定しておく必要性があると思います。

休職制度の目的や規定の仕方によっては、不要なトラブルに発展する可能性があります。
就業規則への具体的な記載方法は、以下のセミナーで詳細を解説しています。
セミナー参加者特典として、無料個別相談で疑問点をすべて解消することもできます。


「会社を守る就業規則」徹底解説セミナー

「会社を守る就業規則」徹底解説セミナー

竹内社労士事務所の代表である竹内が、最新の法改正や労働事情を踏まえ、2021年度版に改訂した最強の就業規則をベースに、法的根拠やトラブル事例、判例などを豊富に交え、会社を守るポイントをわかりやすく解説します。

「会社を守る就業規則」徹底解説セミナー開催予定

2021/08/06(金)受付開始 9:30 セミナー開始 10:00~17:00 空有
2021/09/10(金)受付開始 9:30 セミナー開始 10:00~17:00 空有

就業規則セミナー
就業規則マニュアル(正社員用)
就業規則マニュアル(非正規社員用)
労務問題解決のカテゴリー
面接・採用 配転・異動 退職・解雇
服務規律 ハラスメント 労働時間
年次有給休暇 賃金・退職金 健康問題
懲戒処分 損害賠償 労働条件変更