テレワーク中の移動時間は賃金控除の対象になりますか?

改正育児介護休業法(令和7年10月1日施行)に基づくテレワーク制度を利用した社員が、移動時間を不就労として賃金控除されたことに納得できないと申し出てきました。このような場合、会社の対応は適切なのでしょうか?
移動時間の労働時間性は、その移動が「会社の指示によるもの」か「本人の都合によるもの」かによって異なります。ただし、制度導入にあたっては、労働者への十分な事前説明が不可欠です。
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このコンテンツの目次
  • テレワーク(柔軟な働き方措置)の概要
  • 移動時間が労働時間になる場合・ならない場合
  • 事例詳細
  • 会社が取るべき対応

テレワーク(柔軟な働き方措置)の概要

  • 令和7年10月1日施行の改正育児介護休業法により、3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者を対象に、事業主が選択して講じる5つの「柔軟な働き方を実現するための措置」のうちの一つとして、テレワークが新たに導入された。
  • 対象となるテレワークは、勤務日の半数程度(週5日勤務であれば1か月あたり10日)を基準とし、始業時刻または終業時刻と連続する時間単位での実施を可能とすることが要件となっており、所定労働時間を短縮しないものとされている。
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移動時間が労働時間になる場合・ならない場合

労働時間に該当する場合
  • 会社からの指示・要請により、テレワーク中に自宅からオフィスへ移動した場合
  • 使用者が具体的な業務のために急きょ出勤を求めたなど、移動中の自由利用が保障されていない場合
労働時間に該当しない場合
  • 本人の希望・都合により、オフィスへ出社した後に自宅へ戻るなど、労働者自身の判断で移動した場合
  • テレワークのガイドライン上、移動中の自由利用が保障されていると評価できる場合

事例詳細

 当社は、都内にある従業員数50名程度のIT企業です。令和7年10月1日から施行された改正育児介護休業法の「柔軟な働き方を実現するための措置」の一つとして、テレワーク制度を導入しました。  

 制度の利用を申し出たのは、社員A(5歳の子を養育中)です。Aさんはコロナ禍にも在宅勤務の経験があったことから、会社による事前説明を「結構です」と断っていました。ところが、テレワーク利用後の給与明細を見て、部長のもとへ問い合わせに来ました。

社員A

部長、今月の給料なんですが、欠勤もしていないのに、少し控除されているんですけど、どういうことですか。

部長

あぁそのことね。Aさん、テレワークを利用する際に注意事項を説明しようとしたんですが、コロナ禍の時に利用したことがあるから結構です!と聞かなかったじゃないですか。他の利用者にはお伝えしていますが、勤務時間の一部についてテレワークを行う場合、自宅と会社の移動時間分を控除しているんですよ。

社員A

移動時間を控除?そんなこと、聞いていません。

部長

ですから、当初ご説明しようとしたんですけど、結構ですと。それにこの内容は社内でも周知しています。

社員A

今回のテレワーク制度では、時間単位での利用も可能なんですよね?制度に則って利用したら、控除が発生するっておかしいですよ。

部長

ですから、その移動時間は、Aさんご自身の都合による移動であり不就労時間ですから、所定労働時間に満たない時間は控除の対象として取り扱っているんです。もちろん所定労働時間きっちり働いていれば控除は発生しません。

社員A

でも同僚のBさんは、同じような状況で、控除されていないと言っていました。そんなの納得できません。

 Aさんはこのように主張していますが、果たしてどうなのでしょうか。

テレワーク中の労働時間制の判断基準

 テレワークに関するガイドラインでは、移動時間の労働時間性について、「自由利用が保障されているかどうか」を基準として判断するとしています。

 Aさんのケースでは、本人の都合でオフィスへ出社した後に自宅へ戻っており、その移動は会社の指示によるものではありません。この場合、移動中の時間は労働者が自由に利用できる時間であるため、労働時間には該当せず、不就労時間として控除することが考えられます。

 一方、BさんのケースはAさんとは異なり、会社からの指示・要請によりオフィスへ移動したものと想定され、その移動時間について自由利用が補償されていない場合、労働時間に該当するとされています。

 つまり、同じ「テレワーク中の移動」であっても、本人の都合によるものなのか、会社からの指示によるものなのかによって、労働時間性の判断は変わります。

会社がとるべき対応

 令和7年10月1日施行の改正育児・介護休業法で新たに導入された柔軟な働き方を実現するための措置としてのテレワークは、時間単位での実施が可能となっているため、導入する際には、移動時間の取り扱いについても労使間で認識の齟齬が生じやすい問題ですので、労働者に対して十分な説明を行い、理解を得ておくことが重要です。

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