賃金不払い25億5千万円。中小企業の景気、依然厳しく

◇昨年1年間で1951件、過去最多

大阪労働局管内の13労働基準監督署が昨年1年間に新たに把握した賃金不払い事件が1951件、総額約25億5000万円とともに過去最多だったことが分かった。同労働局は「景気は改善傾向だが、中小企業にとって依然厳しい状況が続いていることが背景にあるのでは」と分析している。

大阪労働局によると、新規把握の件数は前年比7・4%増、金額は93・1%増となり、統計を確認できる73年以降で最多だった。不払いの対象になった労働者は4361人に上った。倒産で退職金が不払いになるなど1件3000万円超の高額事案が増えたことが特徴。

一方、13労基署が昨年処理した事件は2119件あり、うち半数の1069件が解決。計約5億8373万円を使用者に支払わせた。また、賃金支払確保法に基づく国の「未払賃金立替払制度」を適用して1356人に計8億1716万円を支払い、金額ベースで52・4%が救済された。

2004/04/02 毎日新聞