賃金不払い残業容疑で元電子部品会社社長らを書類送検

鳥取労働基準監督署は12日、電子部品製造業「エイチアールディ」(鳥取市津ノ井、従業員約120人)と、同社の元社長(58)▽元取締役経理部長(44)▽専務取締役(53)--の1社3人を労働基準法違反(賃金不払い残業)の疑いで鳥取地検に書類送検した。

調べでは、労働時間を管理する専務は、02年11月1日から03年3月31日までの間に社員75人に法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を1週間17時間25分超える労働をさせた疑い。

また、元経理部長は、02年10月16日から03年4月15日までの間、社員75人に対し残業や深夜の割り増し賃金計2353万円を支払わず、同署の是正勧告に虚偽の報告書を提出した疑いで、元社長も、労働時間・割り増し賃金の不払いについて違法行為と認識しながら是正措置をとらず、虚偽報告書を5回に渡り提出した疑いが持たれている。

同社は03年12月に割り増し賃金約4470万円を退職社員を含む135人に支払ったが、同署は被害意識や被害額の大きい75人計2353万円分について立件、書類送検した。

今年度の鳥取労働局の賃金不払いに関する是正支払いは、52企業で総額約1億3000万円。対象労働者は2211人、1企業あたり最高額約4400万円、1人平均6万円となっている。

2004/03/13 毎日新聞