労働新聞記事
2008/05/12---ニュース
労働契約適正化へアドバザー――厚労省
厚生労働省は、労働契約法の施行に合わせて「中小企業労働契約支援事業」をスタートさせた。大企業と比較して労務管理の知識に乏しい中小企業事業主に焦点を絞って、望ましい労働契約の提示、定着に努め、個別労働関係紛争の未然防止と早期解決につなげる。全国規模の中小企業団体に事業委託し、アドバイザーの派遣、法令などの周知を目的としたDVD配布、契約書の作成指導などをテーマとしたセミナーを開く。
サービス業、長期的人材育成で生産性向上を――中小白書
中小企業庁は、2008年版中小企業白書を公表した。卸売業、小売業など中小サービス業の労働生産性が相対的に低い点を問題視し、生産性アップには労働者の能力・意欲を高める長期的な人材育成が欠かせないと強調している。積極的な教育訓練が行われておらず、自らの成長につながらないと判断して離職するケースも少なくないという。好事例として、労働者に定期的な業務改善提案を行わせている保育サービス業者を取り上げた。
特養ホーム 引継業務で割増不払い――新宿労基署
6割の事業場で報告書作成や引継ぎ業務を労働時間に含まないなどの割増賃金違反が発覚――東京・新宿労働基準監督署(恩田廣行署長)の特別養護老人ホームに対する監督結果で分かった。労働関係法令違反は全体の9割に上る。多くの事業場で衛生委員会が有効活用されていない現状を重くみて、審議事項に労働時間の短縮などを加えるほか、労使が出席して職員の不満などを吸い上げる場とするよう求めている。
2008/05/05---ニュース
労災審査官を全廃へ――不服審査制度を大幅見直し
厚生労働省は、労災保険の支給などにかかわる不服審査を国民にとって分かりやすく利用しやすくするため、労働保険審査制度を大幅に見直す。現在、都道府県労働局に配置している労働者災害補償審査官を全廃し、原処分に対する不服申し立ては、労働基準監督署長に対する再調査請求に一元化する。再調査の決定を知った日から2カ月以内ならば、労働保険審査会に審査請求できるようにする。審査時に提出された文書、物件の当事者などによる閲覧も認めるとした。
小規模建築工事現場に集団指導――東京労働局
東京労働局(村木太郎局長)は平成20年度、小規模建築工事現場における労災防止に向けて重点的な指導を展開する。管内18労働基準監督署が3カ月に1度、着工する請負金額1億9,000万円未満現場の現場責任者に対する集団指導を実施して、新規入場者教育など安全衛生対策の徹底を求めていく。これまでは、ゼネコン大手など建設業店社を中心に指導してきたが、死傷災害件数の約7割を小規模現場が占めている現状を重くみた。
大阪労働局 災害発生製造業の監督強化――20年度方針
大阪労働局(桑島靖夫局長)は平成20年度、災害発生事業場に対する監督指導の強化に拍車をかける。災害防止対策を個別指導するほか、自主的な安全衛生活動を促す。とくに製造業での災害が顕著なため、注文者・請負業者および派遣先・派遣元を問わず労働者への安全衛生教育を徹底させる。「安全管理者『安全宣言』運動」を新たに展開し、各現場ごとの意識の底上げを図る。
2008/04/28---ニュース
待機中、労働時間と認めず――東京地裁
東京地裁は、突然のガス漏れ工事に対処するために待機している「所定労働時間」を、使用者の指揮命令下に置かれていたと評価するには足りず、労働時間とは認められないとする判決を言い渡した。外形的に指揮命令下にあったか否かというだけではなく、労働者がその時間帯にどのような業務に就いていたかを具体的に評価した結果、「高度に労働から解放されていたとみるのが相当」とした。大阪地裁の互光建物管理事件判決以後、実際の仕事の態様を重視して待機時間の性格を判断する判決の流れが形成されつつある。
塾講師に能力認定試験――全国学習塾協会
(社)全国学習塾協会(伊藤政倫会長)は、塾講師の指導能力を審査・認定する「集団指導1級・2級」試験制度を創設した。塾業界では、大学生アルバイトなどの非正社員講師が多く、教育訓練も十分に行われていない実態にあるため、試験制度を通じて業界全体の能力水準底上げをめざす。講師としての基本的マナーをe‐ラーニングで習得させたのち、実技試験(授業)を実施する。聞き取りやすい発声や塾生に興味を抱かせる配慮などを審査項目とした。初級となる2級試験は今年夏ごろに行う予定。
東京労働局 派遣・請負2千社超を指導――20年度方針
東京労働局(村木太郎局長)は平成20年度、労働者派遣事業に対する指導監督を強化する。派遣元・派遣先および請負関係事業者の本社など合わせて2000社超に指導監督を実施するほか、日本経済団体連合会と東京経営者協会を通じて大手企業などに日雇派遣指針のリーフレットを配布する方針である。労働基準、職業安定、需給調整など各部局の連携をより緊密にし、派遣労働者からの苦情相談対応にも力を入れる。
2008/04/21---ニュース
恒常的長時間労働を抑制――厚労省・20年度労基行政
厚生労働省は、平成19年度労働基準行政の重点施策を明らかにした。依然として製造業での偽装請負が後を絶たないことから、事業場内労働者の「混在」状況を的確に把握し、違反が疑われる場合は職業安定行政との共同監督を行う。長時間労働の抑制では、他の年齢層に比較して問題の多い20歳代後半〜30歳代の労働者に焦点を当て、労働時間管理改善を積極的に支援する考えだ。20年度より小規模企業において医師による面接指導制度が施行されるため、あらゆる機会を通じて制度の周知を図るなど健康確保対策の充実にも力を入れる。
生産増で安衛活動格差広がる――中災防調査報告
景気拡大に伴い生産量や販売量が伸びている企業は、安全衛生管理活動も活発化していることが、中央労働災害防止協会の調査報告書で明らかになった。とくに大企業の取組みが進んでおり、安衛活動における事業場規模間格差がより鮮明になった。中災防は、「中小企業では、生産量が増加すると、安衛活動に時間や人員を割きづらいのでは」と懸念している。
製造派遣先 作業主任者選任怠り送検――春日部労基署
埼玉・春日部労働基準監督署(真壁秀夫署長)は、派遣労働者の死亡災害に関連して特定化学物質主任者を選任していなかった一般めっき業の派遣先・吉野電化工業鰍ニ同社部長を、労働安全衛生法第14条(作業主任者)違反などの疑いでさいたま地検に書類送検した。同社は特定化学物質の有害性を正社員に教育していたが、派遣労働者には行っていなかった。
2008/04/14---ニュース
技能実習の適正化推進――厚労省
厚生労働省は来年度、外国人研修・技能実習制度の適正化に力を入れる。外国人受入れ企業と団体に対する巡回指導の対象を大幅に増やし、2年に1回の頻度で全件調査が可能とする態勢を作るとともに、不正な取扱いを受けた外国人からの通報を受け付ける電話相談ホットラインを増設する。ホットラインは、技能実習期間の終了寸前に不払い残業や最低賃金法違反などを訴え出る者が多いことから、潜在的な需要が高いと考えられている。
中小の人材確保で福田首相に要望書――大阪商議所
大阪商工会議所は、中堅・中小企業における人材確保に関する要望書をまとめ、福田首相や舛添厚生労働大臣らに提出した。高年齢者や子育て世代などの就業促進策を求めたもので、高年齢者対策については、現行の在職老齢年金制度が就業意欲を削いでいるとして、年金の支給停止基準の緩和などを訴えている。技能伝承のために技術者OBを再雇用する中小を対象とした、法人税控除制度の創設も必要とした。
割増賃金不払い 管理職3人を共謀で送検――大河原労基署
宮城・大河原労働基準監督署(岩渕範好署長)は、時間外・休日労働に関する協定を締結せず長時間労働を行わせた上、法定の割増賃金を支払わなかったみやぎ仙南農業協同組合と共謀関係にあった管理職3人を、労働基準法第32条(労働時間)および同37条(割増賃金)違反の疑いで仙台地検に書類送検した。月100時間超の時間外労働による過労死が捜査のきっかけ。経営側が全職員の割増賃金を一律40時間で切り捨てるよう命じていた。
2008/04/07---ニュース
08春闘 目標の内需拡大は不発か――平均152円増に〜本紙・中堅中小集計
今春闘で平均賃上げ方式によって妥結した中堅・中小企業59社の平均妥結額は5506円となり、前年を152円上回ったことが本紙の集計で分かった(3月21日現在)。そのうち前年との比較が可能な51社の平均妥結額は5349円で、前年の5455円を109円下回っている。先行した大手交渉がほぼ前年並みの結果に終わった影響が少なくなく、賃金アップで内需拡大をめざした労働側の戦略が不発に終わりそうだ。(6面に回答・妥結一覧)
育介法順守へチェックリスト――東京労働局
東京労働局(村木太郎局長)は、就業規則が育児・介護休業法に違反していないかを確認する「チェックリスト」を作成した。企業が次世代育成支援対策推進法に基づく認定を申請する際、育児休業などの規定に不備がみつかるケースが多いという。男性の育休取得者を出すために有給の短期休業制度を導入した場合、同制度を選択すると法定の長期休業が取得できない扱いになっていないかなどを点検する。
情報産業 36協定限度違反が4割――渋谷労基署監督結果
東京・渋谷労働基準監督署(箱守英雄署長)は、情報関連産業に対する監督結果をまとめた。4割で36協定の限度時間を超えて残業させていたほか、時間外労働があるにもかかわらず36協定未締結の事業場も3割強で発覚している。長時間労働の割合が高いため、労働時間の把握を徹底させるとともに、医師面接などの過重労働対策を整備するよう指導した。
2008/03/24---ニュース
賃上げ 横這いながら配分に工夫――金属大手が交渉妥結
ほぼ前年並みの水準で妥結した金属大手の08春闘。小幅な賃上げにとどまったため相場形成役としての社会的責任を問う声が上がっている反面、限られたパイを有効に配分して将来につなげようとした努力した形跡もうかがえる。鉄鋼5社は、24時間操業に従事する労働者に報いようと交替勤務に伴う深夜の割増率と1回当たりの休日手当を引き上げる。造船の三菱重工は、職能給の成績部分に原資2000円を充当、業績向上につなげる。電機8社も優秀な人材確保を狙いに、水準改善額を昨年比倍増した。
継続雇用者の活用でガイドブック――日化協
(社)日本化学工業協会(冨澤龍一会長)は、継続雇用している高年齢者を効果的に活用するためのポイントを示した「化学工業高齢者雇用ガイドブック」を作成した。継続雇用制度の設計時には定年到達予定者にヒアリングを行い、賃金や労働時間、業務内容に対する要望を把握すべきとした。継続雇用者の労働意欲を維持・向上させるためには、仕事ぶりを適切に評価することが不可欠として、目標管理制度の運用事例などを紹介している。
訪問介護自主点検 待機時間に賃金払わず――向島労基署
東京・向島労働基準監督署(千葉良樹署長)は、訪問介護サービス事業場への自主点検結果をまとめた。5割弱の事業場が待機時間に対して賃金を支払っていなかったほか、移動や研修にかかる時間についても無給とするケースが少なくない。違反がめだつ背景には新規参入業者の増加などが挙げられる。同労基署は集団指導を実施し、法令順守の徹底を求めている。
2008/03/17---ニュース
1人2200万円に――じん肺で和解基準
建設大手ゼネコンなど31社はこのほど、全国トンネルじん肺訴訟の「和解手続被告会社統一基準」を明らかにした。和解金額は、じん肺管理区分の管理2で合併症がない場合の1人900万円から管理4または死亡の最高2200万円までとしている。就労期間など個別原告ごとの条件によって減額修正方法も定めた。東京地裁において多数の和解協議を重ねた結果、約1500人の原告と被告会社の間に裁判上の和解が成立し、その経過などを集約したものである。
事業承継支援へ全国100拠点――中企庁
中小企業庁は平成20年度、事業承継の円滑化に向けた取組みを強化する。後継者不在により廃業に追い込まれる企業が少なくないことから、税制の抜本改革のほか、「事業承継支援センター」を全国100カ所に新設し総合的な支援を展開する。後継者を求める企業と開業を希望する人材を引き合わせる「マッチング交流会」を同センター内で開き、廃業回避、雇用維持・創出を後押しする意向。事業承継に不可欠な知識を習得させるセミナーも開催する。
新潟県 医療現場で偽装請負――労働局が指導
新潟県は、2カ所の県立病院で、新潟労働局から「偽装請負」を指摘され、是正指導を受けていたことを明らかにした。同県は看護助手や看護補助の業務を請負会社に委託していたが、一部の業務で病院職員が直接業務指示し、実態として派遣就労になっていた。請負会社の現場責任者の選任に加え、契約内容の変更を行うなどにより改善を図っている。
2008/03/10---ニュース
厚労省が改正パート法施行本部設置へ
厚生労働省は、4月1日に施行する改正パートタイム労働法に対する国民的注目度が高いため、全国の都道府県労働局に局長を本部長とする「改正パートタイム労働法施行本部」を設置するよう通達した。同法施行直後は、事業主やパート労働者からの相談、調停申請が急増する可能性が高く、紛争を迅速に処理するには、労働局が一体となる必要があるとした。労働局の総務部、労働基準部、職業安定部の各職員を、雇用均等室に併任の形で一時的に異動させて同本部構成員とする。
不動産業665社に安全考慮した発注を要請――東京労働局
東京労働局(村木太郎局長)は、大手不動産会社など建設工事の民間発注者665社に対し、文書による労働災害防止の協力要請を行った。安全に作業が行えるよう配慮した工期の設定、経費の積算を求めている。商業施設の新築工事などでは、店舗オープン日に間に合わせるため工期を短く設定し、労災発生につながるケースが少なくない。民間発注者に対する要請は初めて。
大田市場 長時間労働の常態化が判明――大田労基署・監督結果
東京・大田労働基準監督署(小林敏郎署長)は大田市場の卸業者などに対する監督結果をまとめた。36協定の未締結や限度時間超過など労働時間での違反が4割に上った。多数の事業場で長時間労働が常態化していることが判明し、割増賃金不払いもめだつ。過重労働による健康障害が懸念されることから、同労基署はすでに集団指導を実施し、労働時間の把握の徹底と医師面接が必要な労働者への早急な対応を指示している。
2008/03/03---ニュース
有期契約労働へガイドライン――厚労省が作成へ
厚生労働省は、有期契約労働者の雇用管理改善ガイドライン作成に着手した。若年層を中心とした非正規労働者がこのまま拡大していけば、職業能力の蓄積が進まず、中長期的な競争力・生産性の低下、社会保障システムの脆弱化などが避けられないため、企業が改善すべき事項を明確にする。法令上順守しなければならない事項のほか、「よりよい雇用管理」に向けた教育訓練の強化などを奨励していく。
教育・研究業で申告が大幅増――東京労働局
東京労働局(村木太郎局長)は、平成19年に受け付けた労働者からの申告件数を集計した。減少傾向から増加に転じた18年に引き続き対前年比で8.5%増え、5,819件に上った。なかでも、教育・研究業が3割増と大幅に伸び、同労働局では、大手英会話教室の倒産も要因の1つとみている。不払い残業や定期賃金未払いなど賃金不払い関連が増え、全体の7割超を占めた。
アパレル業 過半数が36協定結ばず残業――渋谷労基署
アパレル業の過半数で36協定結ばずに残業――東京・渋谷労働基準監督署(箱守英雄署長)がまとめた監督結果で分かった。36協定を締結していても、限度時間を超えているケースが少なくないほか、割増賃金の不払いや賃金台帳などへの残業時間数の記録を怠っている事業場が多い。労働時間を自己申告させている事業場の割合も高く、実際の残業時間との乖離がめだつ。
2008/02/25---ニュース
正社員求人倍率が下落傾向に――職安統計
厚生労働省の職業安定業務統計によると、平成19年度に入って正社員の有効求人倍率が再び下落し始めている。14年度を境に企業の正社員採用指向が高まっていたが、ここに来ての景気減速により19年12月の有効求人倍率は、8カ月連続で前年比同期マイナスの0.63倍となっている。桝添厚労相は「このところ改善の動きはが弱まっている。正社員就職の改善が進むよう取組む」と今後の対応を語った。
ホワイトカラーに仕事と生活の調和推進策――東京労働局
東京労働局(村木太郎局長)は、長時間労働になりがちな職種、業種における仕事と生活の調和を推進するため、ホワイトカラーと建設業を対象とした「推進プログラム」を作成、企業の取組み目標を提示した。ホワイトカラー編では、年休取得率が高い部署の管理職を評価する制度の導入、建設業に対しては、休日の確保などに向けて、悪天候による不稼働日を考慮した工期設定を発注者側に促している。職種別、業種別のプログラム作成は全国で初めて。
製造派遣 労働者へ教育怠り送検――東近江労基署
滋賀・東近江労働基準監督署(戸津吉雄署長)は、派遣労働者に機械の安全操作にかかわる情報を伝えていなかった照明器具会社のNECライティング鰍ニ製造部マネージャーらを労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反などの疑いで大津地検に書類送検した。捜査は、派遣労働者の死亡災害が端緒となったもので、派遣先である同社は修理作業を行う際、機械を停止させる必要があることを指示していなかった。現場での作業すべてを派遣元任せにしていたという。
2008/02/18---ニュース
使用者の誤解を修正――労働契約法で通達
厚生労働省は、3月1日に施行する労働契約法の詳細な運用基準を都道府県労働局長あてに通達した。労働契約の原則、成立、変更、終了および出向など全般にわたって逐条的に考え方を明確化している。就業規則の不利益変更に関しては、自由に労働条件を変えられるとする「使用者の誤解」などが紛争につながっていることを重視し、同法第9〜10条においてルールを定めたとした。
派遣法、雇用申込み義務撤廃を要望――中小ソフト業界団体
情報サービス業界の中小ソフトウエア会社が加入するNPO法人日本情報技術取引所(略称=JIET、二上秀昭理事長)はこのほど、派遣労働者に対する雇用契約申込み義務を定めた労働者派遣法第40条の5の撤廃を求める要望書を厚生労働省に提出した。自社で育て上げたSE・プログラマーを特定労働者派遣事業として大手ソフト会社などに送り込んでいる中小ソフト会社が多いため、雇用申込み義務は「大手ソフト会社による法的な人材引抜きを、国家が奨励しているに等しい」と指摘した。派遣元・先間の関係悪化にもつながるという。
出版業 裁量労働を違法に拡大適用――新宿労基署
出版業の8割で労働時間に違反――東京・新宿労働基準監督署(恩田廣行署長)の監督指導結果で明らかになった。専門業務型裁量労働制を導入している企業の割合が高く、同制度の適用範囲やみなし労働時間の設定に関する違反がめだった。割増賃金の不払いは5割弱を占める。年俸制を採用している企業で、残業代を年俸に含むとしながら基準が明確でないケースも多い。
2008/02/11---ニュース
介護・育児の通再適用広げる――厚労省が検討
厚生労働省は、家族介護と育児を行う労働者に対する通勤災害保護制度の適用を拡大する方針を固めた。介護対象者の家に定期的に通い、一定時間滞在する必要がある場合を保護の対象となる通勤経路の「逸脱・中断」とみなす考えである。育児を行うために一定時間滞在したあと通勤経路に復したケースも同様の扱いとする。年間の通災認定件数は5万件を超え、そのうち130件程度が「逸脱・中断」に関連したものと推計している。
SAS検査助成制度の利用3倍増に――全ト協
居眠り運転の原因となる睡眠時無呼吸症候群(SAS)の早期発見をめざし(社)全日本トラック協会が実施している「スクリーニング検査助成制度」の活用が好調だ。検査費の半額を支給するもので、平成19年度(10月末現在)の利用者は、前年度(年間)の3倍以上となる4万人に上っている。全ト協によると、企業ぐるみで検査を受けるケースがめだったという。SASの労働者に不利益な取扱いをしないよう企業に呼びかけたことも、労働者側の積極的な姿勢を引き出し、利用者増につながったとみている。
動物病院 5割で法定時間守らず――横浜南労基署
神奈川・横浜南労働基準監督署(坂間孝朗署長)は、管内動物病院に対する自主点検結果をまとめた。半数の事業場で週40時間超の所定労働時間を定めており、法定労働時間に違反していた。時間外・休日労働に関する協定の不備や、健康診断を実施していない事業場はともに7割に上る。労働保険の未加入事業場まであったことから、同労基署は今後、基本的な法令周知を徹底させる方針だ。動物病院が指導対象となるのは初めて。
2008/02/04---ニュース
100人超から義務化 ―― 一般事業主行動計画・厚労省
厚生労働省は、今国会で次世代育成支援対策促進法を改正し、中小事業主の両立支援に対する取り組みを強化する。一般事業主行動計画の作成・届出について現行法では、常用労働者が300人を超える中堅・大手企業を対象としているが、「100人超」まで拡大する。同時に、作成・届出した同計画の一般への公表と従業員への周知を義務付けて、実効性の確保と内容のレベルアップにつなげる考えだ。
ビルメン業で墜落・転落災害多発――東京労働局
東京労働局(村木太郎局長)が集計した平成19年死亡災害発生状況(速報値)によると、墜落・転落災害が前年に比べて約20%と大幅に増加したことが分かった。昨年1年間の労災死亡者は84人で、このうち墜落・転落災害が45人となり全体の半数を占めている。なかでもビルメンテナンス業で窓ガラス清掃中の災害がめだち、前年比で倍増となる5人に上った。運輸交通業でも増加しているため、同労働局は今後、リスクアセスメントの普及を図り災害減につなげたい考えだ。
コンビニの自主点検 パート6割強に年休与えず――立川労基署
東京・立川労働基準監督署(黒須悟署長)は、管内のコンビニエンスストアに対する自主点検結果をまとめた。パートに年次有給休暇を与えていない企業が6割強、健康診断を実施していない企業は8割に上っている。労働条件の明示では、約半数が法定の基準を満たしていなかった。同労基署は、4月の改正パート労働法の施行をにらみ指導強化を図るとしている。
2008/01/28---ニュース
労基法改正案でこう着状態続く――国会
長時間労働の抑制を目的とした労働基準法改正案が引き続き継続審議扱いとなり、通常国会へ持ち込まれた。この間半年以上にわたり国会で一切審議にかからず、与野党間で睨み合いの膠着状態が続いている。焦点は、割増率50%を義務付ける月の時間外労働時間数を、「60時間超」「45時間超」のいずれにするかの問題とみられている。労働環境改善へ一歩でも前進するために、通常国会での歩み寄りが強く求められている。
派遣無許可事業者を告発――東京労働局
東京労働局(村木太郎局長)は、派遣元の潟Oッドウィルから受け入れた労働者をさらに別の会社に派遣していた派遣無許可事業者の東和リース梶i東京都港区)および同社取締役を、職業安定法第44条(労働者供給事業の禁止)違反の疑いで警視庁に告発した。平成16年10月から2年9カ月にわたり、受入れ労働者延べ1240人を東京都内の青海ふ頭などへ送り込み、供給先企業の作業指示のもと倉庫搬入など港湾運送業務に従事させていた。同労働局による無許可事業者の刑事告発は初めて。
道路貨物運送業 半数で労働時間に違反――江戸川労基署
約半数で36協定を超えて働かせるなど労働時間関連に違反――東京・江戸川労働基準監督署(田谷信介署長)の道路貨物運送業に対する監督結果で分かった。賃金台帳、労働条件明示、割増賃金でも4割が違反していた。運送料の据え置きや燃料の高騰など運送業界をめぐる情勢は厳しさを増しており、近年法令違反に関する情報提供や申告がめだってきている。監督指導からずさんな労働時間管理の実態が浮き彫りとなった。
2008/01/21---ニュース
長期安定雇用に回帰を――厚労省が中長期方針
厚生労働省は、昨年10月に施行した改正雇用対策法に基づき、政府による中長期的施策考え方を明らかにした「雇用政策基本方針」(案)を初めて作成した。バブル崩壊から立ち直った2002年以降の景気上昇に対応して、企業の人事賃金制度の大幅修正を迫ったもので、従来までの成果主義的賃金による業務の短期的評価重視型から雇用安定と人材育成機能を備えた長期雇用型への移行が必要と強調している。
改正パート法で企業の対応進む――関西経協調査
今年4月の改正パート労働法施行を前に、正社員との職務区分の厳格化を検討する企業が3割に達する――こんな実態が関西経営者協会の調査で明らかになった。パートの責任範囲を限定する企業も2割みられるなど、処遇差別が禁止される“通常の労働者と同視すべきパート”に該当しないよう対策を練っている模様だ。同視すべきパートがいる企業のうち1割超は、法施行前に職務変更などを行い非該当者へ移行を図るという。
管理監督者偽装で送検――宮崎労基署
宮崎労働基準監督署(平川幸一署長)は、課長以下13人の役職者を管理監督者扱いにし、労使協定で定める1カ月当たりの限度時間を超えて最大200時間以上の時間外労働をさせていた自動車部品の製造会社を、労働基準法第32条(労働時間)違反の疑いで宮崎地検に書類送検した。時間外・休日労働の割増賃金を支払っていなかったため、同法第37条(割増賃金)にも違反している。
2008/01/14---ニュース
08年賃金交渉の論点と展望1
賃上げ2%台上乗せを――楠田丘氏
08年の賃上げは2%台を強く期待――賃金問題の専門家である楠田丘氏は、本紙に「08年賃金交渉の行方」と題する評論を寄稿し、賃上げ環境の分析結果を明らかにした。賃上げ予測は、生産性と生計費の中間点1.96%が有力としたが、日本社会の発展のために中間点を上回る2%をめざすべきであるとしている。
08年賃金交渉の論点と展望2〜紙上座談会
賃上げ2%台上乗せを――楠田丘氏
日本経団連の紀陸孝・専務理事は「付加価値額増の一部は総額人件費改定に」と指摘、連合の龍井葉二・非正規労働センター総合局長は「経営に公正配分を迫る」と話した。