社員が復職する際の注意点

Y社員が復職?診断書を確認すると・・・

当社で、システム開発担当として働いているA社員は、うつ病が原因で休職中ですが、9月末をもって休職期間満了となります。

復職の判断にあたり、当社はA社員の病状を確認することにしました。

「Aさん、この9月末で休職期間が満了となりますが、体調の方はどうですか?」

「総務部長、休職期間中にゆっくり療養させてもらったおかげで、体調もずいぶん回復しました。10月からは復帰できると思います。」

「それでは、復職可能か判断させてもらいますので、主治医の診断書を提出して下さい。」

「・・・あ、そうですか。・・・わかりました。それでは後日、診断書を提出します。」

 その後、会社に診断書が届きましたが、記載されていたのは『10月から復職可能。ただし、3ヶ月間は短時間の勤務を要する。』というものでした。

そこで、総務部長はA社員に連絡をとりました。

「この診断書の内容だけでは会社は復職を認められませんので、あなたの主治医と面談した上で判断させてもらいます。」

「なんで面談する必要があるのですか?ちゃんと診断書には復職可能と書いてあるじゃないですか。これはプライバシーの侵害です。そんな要望には応じられません。」

さて、会社としては、診断書の内容が復職可能となっている以上、復職の判断に悩むところですが、このような場合どうしたら良いのでしょうか。

まず休職とは、労働者が私傷病等を理由に一定期間就労できない場合、労働契約を継続させつつ、労働義務を免除する制度です。労働者が長期に渡り労務提供できなければ、労働契約の約束違反(債務不履行)となり、解雇の事由に該当するのですが、休職を適用することで、解雇を一定期間猶予するという役割があります。

そして、休職期間満了の時点で、休職事由が消滅(治癒)していない場合は、労働契約を解消することになります。

復職可能かどうかの判断は専門家である医師の診断をもとに行うことになりますが、特に精神疾患の場合は、判断が難しいので慎重な対応が必要です。

重要なのは、「治癒」の要件を明確にすること!

したがって、復職の基準となる「治癒」の要件をあらかじめ明確にしておくことが非常に重要です。

そして、“治癒とは、従前の業務を健康時と同様に支障なく通常業務遂行できる程度に回復すること”と定めておくことにより、短時間の就労や、軽作業であれば復職可能というような診断書を鵜呑みにする必要はなくなります。

ただし、過去の裁判例において、「休職期間満了時に治癒した状態に達していない場合でも、当初は軽易な職務に従事すれば徐々に通常業務が遂行できるまで回復することが見込まれる場合には、回復するまでの間その職務に配置し、復職を認めるべき。」として、休職期間満了による退職扱いを無効とした例もありますので、ご注意下さい。

会社の指定医の受診を義務付けることも有効

医師との面談

加えて、主治医の面談への協力や、会社の指定医の受診についても、義務付けておくと良いでしょう。

上記のケースのように、診断書のみでは復職の判断ができない場合、本人の同意を得て主治医と面談したり、会社指定の医師に受診してもらうといった対応が考えられます。

主治医の診断書は、本人の意向を反映して作成されるケースが多いため、直接主治医と面談して、会社の業務内容を説明した上で、本人がその業務に通常程度遂行できる状態まで回復しているかどうか、復職した場合の悪化の可能性、復職させる場合の留意点、処方している薬の内容等を確認します。

また、治癒しているかどうかの証明は本人が協力的に行わなければなりません。

合理的な理由なく本人がこれを拒否する場合は、就労可能かどうか判断ができませんので、復職を認めず、休職期間満了で退職、あるいは休職期間の延長で対応することになります。


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