入社後すぐに休職を申入れてきたら?

7月に入り、4月に入社した社員も、全員が試用期間を終え、正社員として登用されることになりました。

そして、正社員になって1ヶ月が経過した頃、営業マンとして外回りを担当するようになったA社員の様子がおかしいとの報告がありました。

「あの・・・社長、少しお話しがありまして・・・、実はですね、最近A社員の様子が少し変なんですよ。」

「おお、どうしたんだ総務課長?A社員の様子が少し変って、どこか体でも悪いのか?」

「はい。これまでは、特に問題なかったのですが、最近は欠勤が目立つようになり、今週になってからは、ずっと欠勤しているんです。」

「最近は特に暑いからなーーー。頑張り過ぎて、体調崩してしまっただけじゃないのか。」

「そうですねーーー。かなり暑いですからねーーー。でも、それだけなら良いのですが・・・。」

「何だ、他に何か思い当たることでもあるのか?恋の悩みとか、お金の悩みとか?」

「最近は顔色も悪く、確かに体調も悪そうでした。試用期間が明けた直後辺りから、仕事中ボーっとしている時があったり、営業課の懇親会にも来なくなったり、明らかに様子が変なんです。」

「ふーーーむ。それで、本人は病院には行っているのか?医者に診せなきゃわからんだろ。」

「先程、本人から電話がありまして、今日病院に行くと言っていました。週明けには一度出社したいと言っておりましたので、一応念のため診断書を持参するように言っておきました。」

「おーーーそうか。それでは、週明けにA社員と面談して、結果を報告してくれ。」

「はい、わかりました社長。大したことが無ければいいんですけど、診断書を見ないことには・・・。」

そして、A社員は週明けに予定通り出社し、営業課長と面談をすることになりました。

A社員の顔色は、あまり良くありません。加えて元気もなく、下を向いたまま診断書を差し出しました。

診断書には、「傷病名:うつ状態 上記により、現在通院加療中。著しい抑うつ感、不安感、全身倦怠感、不眠等の症状が認められ就労困難な状態にあり、治療のため今後約3ヶ月間の休養を要すると判断します。」と記載されていました。

「うぅ~ん。うつ状態かぁ。体が一番大事だから、十分休養してもらいたいが、まだ有給休暇もないし、発生しても10日間だけだからなぁ。3ヶ月の休養となると、不足してしまうなぁ~。」

「課長。就業規則に、休職という制度がありますので、これを利用させて頂きたいのですが・・・。」

「休職は、確かに就業規則には規定されているけど、君はまだ勤続6ヶ月にも満たない状況だから・・・、利用できるかどうか私には判断がつかないから、社長に確認してみるよ。」

「よろしくお願いします。でも課長、就業規則にはこのように規定されていますよ。」

そういってA社員が指し示した就業規則には、確かに「勤続5年未満の者は、休職期間は6ヶ月」と規定されていました。

「確かに規定されているけど・・・。私の方から社長に確認してみるよ。君の症状も合わせて報告して、また明日にでも連絡します。」

こうしてA社員との面談が終わり、その後A社員からの診断書を社長に提出し、面談内容を報告しました。

「う、う、うつ状態だって?!うつ病なんて、うちの会社には無縁だったのになーーー。」

「はい。3ヶ月の休養を要するということで、本人は、休職制度の利用を求めています。」

「うつ状態っていうのは、もっと長引くケースもあるんだろ?それに入社して半年も経たないのに、休職なんてどうかと思うが。・・・だって、つい半年前までは、元気だって言って採用されたんだろ?」

「はい。ですが就業規則で、『勤続5年未満の者は、休職期間は6ヶ月』となっていますから、休職を利用させないのは、なかなか困難ではないかと。」

「やむを得んなーーー。だが、今後、同じようなケースが出ないとも限らん。何とか対応策はないのか?」

「就業規則上、当然に休職が適用される状態にしておくのではなく、例えば『勤続1年未満の者には適用しない。』という但し書きを入れておいたらどうでしょうか。そうすれば、勤続1年未満の者に、結果として休職制度を利用させることになったとしても、特別に休職が適用されている状態ですから、休職期間が満了により退職になりますという話もし易くなると思います。」

「おーーーそうだな。それは当然だな。しかし、何で今までそうなっていなかったんだ。すぐに取り掛かってくれ。」

「わかりました。きっと、うちの就業規則のベースとなった雛形に問題があったのではと・・・。」

「雛形のせいにするな!それは君が作ったんだろーーーっ!さっさと取り掛かれ!」

うつ病

休職とは、従来からの日本の労使慣行である終身雇用制度に由来し、これまでの会社に対する貢献度を勘案して適用するものです。

ですから、勤続年数が少なくとも1年未満の人については、貢献度という側面からして、休職を適用させる意味はないのではないでしょうか。

休職期間の規定には、その点も規定しておく必要性があると思います。


健康問題のトラブル

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