無断欠勤が続く社員を解雇するには?

無断欠勤が続く社員をトラブルなく解雇するには、どのような手順を踏むべきなのでしょうか?
解雇通知の有効性と解雇予告手当の支払いがポイントです。
労務問題一発解決バイブル無料購読

無料!経営者必見!
「労務問題、一発解決!」奇跡のバイブル
いますぐ会社を守る準備をしよう!

このコンテンツの目次
  • 解雇通知の効力
  • 解雇予告手当について
  • 事例詳細

解雇通知の効力

  • 書留で通知書を発送するなど、通知書が本人に到達したことが分かれば、解雇通知は有効
  • 民法第97条によると、「隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる」
  • 社員が通知書を返送したり、受領を拒否しても、法律上意味のある行為とはいえない

解雇予告手当について

  • 解雇予告手当の支払いは、金融機関口座が分かっているのであれば解雇予告手当を振り込み、別途書留でその内容を通知する、あるいは現金書留で送付することで対応する

社長を守る会の会員様を全力でサポートします!
社長を守る会
人事労務のお悩みは、今すぐ電話相談で即解決!
当サイトのすべての動画・マニュアルもオンラインで見放題!

事例詳細

株式会社X社の社員Aは、半年ほど前から無断欠勤をたびたび行うようになったため、上司と総務課長が注意をしてきました。

しかし、Aの勤務状況は改善されるどころか、ついには17日も連続で無断欠勤するにいたりました。

ここまでくると就業規則の解雇事由に相当してしまいます。

解雇

Aの上司も総務課長もAの扱いに困り果てて、社長に報告しました。

すると社長は大激怒! 直ちにこれまでの勤怠状況を詳細に報告するよう総務課長に指示が下されました。

そこで、総務課長は状況を整理し、規則上の取り扱いを含めて社長に報告したところ、社長が下した決断は解雇。

今度は総務課長に解雇を通知するよう指示が出されました。

そこで総務課長は、解雇通知書の用意や、予告手当を計算する等の準備を行い、Aを呼び出しました。

総務課長

君は一体何を考えているのかね。これまで無断欠勤をしてきたときにその都度君に注意をしてきたし、できる限り穏便にすませるようにしてきたのだが。

A社員

総務課長、そんなにガミガミ言いなさんな。これからはちゃんと会社にきますよ。

総務課長

いや、君は前にも同じ発言をしたが、結局先日も17日間も無断欠勤をした。社長にも相談したが、君には締日の○日付で辞めてもらうことになった。解雇通知書もあるし、○日だと予告期間に○日足りないのでその分の解雇予告手当の額も計算してある。

A社員

そんなーーー! 解雇はひどすぎですよ。通知書も予告手当も受け取れませんよ!

Aは部屋を飛び出してしまい、上司に体調が悪いと申告して帰宅してしまいました。そして、翌日から病気を理由に会社にこなくなってしまいました。

Aは総務課長が電話をしても電話に出ないばかりか、解雇通知書を書留で送っても送り返してくる始末です。

当然解雇予告手当も払えていません。

株式会社Xは、無事にAを解雇できるのでしょうか?

このケースでは、次の2つの問題があります。それぞれ説明します。

  1. 解雇通知の効力
  2. 解雇予告手当の支払い

解雇通知の効力は?

まず、1.の解雇通知の効力については、総務課長がAに「解雇」とは言っていないものの、「○日付で辞めてもらう」と発言し、さらに書留で通知書を発送し、通知書が本人に到達したことが分かることから、解雇通知は有効であると考えられます。

このとき、もし総務課長の発言がなかったとしても、法律上は隔地者に対する意思表示は相手が知ろうと思えば知りえる状態であれば意思表示が到達したものとみなされる(民法第97条)ため、Aの通知書を返送する行為は法律上何の意味も持ちません。

類似の例で解雇通知書の受領を拒否することもありますが、この場合も同様に意味がある行為ではありません。

解雇予告手当について

次に2.の解雇予告手当については、行政解釈では、以下のように述べられています。

法20条による解雇の予告にかわる30日分以上の平均賃金は解雇の申渡しと同時に支払うべきものである。

そのため、一見すると株式会社Xの解雇手続きはこれを満たしていない、つまりAの戦術が功を奏しているということになってしまいます。

この問題については、結論から言ってしまえば、解雇を通知した相手方の金融機関口座が分かっているのであれば解雇予告手当を振り込み、別途書留でその内容を通知する、あるいは現金書留で送付することで対応することが可能です。

なお、法務局への供託を要するという説もあるようですが、行政解釈で、以下のように述べられています。

解雇予告手当の支払いとは、通常の賃金その他の債務が支払われる場合と同様に、現実に労働者が受け取り得る状態に置かれた場合をいう。

したがって、前記のいずれかの方法で対応することでよいかと思います。

株式会社Xの総務課長はさっさとAの給与支払口座に解雇予告手当を振り込んでしまった方がよいですね。

注意・指導や懲戒処分について誤った対応をすると、不要なトラブルに発展する可能性があります。
注意・指導や懲戒処分の実務については、以下のセミナーで詳細を解説しています。
セミナー参加者特典として、無料個別相談で疑問点をすべて解消することもできます。


新!失敗しない「退職・解雇」の実務セミナー

新!失敗しない「退職・解雇」の実務セミナー

労使紛争解決を得意とする当事務所の経験とノウハウに基づき、中小企業の社長が、退職や解雇で大きな問題を抱えることなく、円満退職を実現するための方法を、リニューアルしたセミナーでわかりやすく伝授します。

新!失敗しない「退職・解雇」の実務セミナー

2024/06/14(金)受付開始 13:00 セミナー開始 13:30~17:30 空有  

オンライン動画 新!失敗しない「退職・解雇」の実務セミナーの視聴方法

社長を守る会の方は、「アンカー・ネット」会員マイページにログイン
するだけで、すべてのコンテンツを、購入することなくご利用になれます。


社長を守る会以外で会員マイページをお持ちの方は、
下のボタンからログインして、オンライン動画のご購入とご視聴が可能です。

会員ログインして購入

当サイトで初めてご購入される方会員マイページをお持ちでない方は、
最初に、下のボタンから無料会員登録を行ってください。

会員登録後、上のボタンまたは会員マイページ内からご購入いただけます。

新規会員登録して購入


労務問題一発解決バイブル無料購読

無料!経営者必見!
「労務問題、一発解決!」奇跡のバイブル
いますぐ会社を守る準備をしよう!

改正労働基準法レポート
労務問題解決のカテゴリー
面接・採用 配転・異動 退職・解雇
服務規律 ハラスメント 労働時間
年次有給休暇 賃金・退職金 健康問題
懲戒処分 損害賠償 労働条件変更
労働組合 福利厚生 その他