上野の会社と元社員が和解

上野市の製材会社「マルソー上田木材」(上田宗久社長)から不当解雇されたとして、三重一般労働組合(ユニオンみえ)同社分会長の山田節夫さん(56)=同市猪田=が、社員であることの地位確認などを求めて名古屋高裁で係争中の訴訟で、山田さんと同社は2日までに、同社が1400万円を山田さんに支払うことなどで和解が成立した。

同社は02年3月末に山田さんを解雇。山田さんは提訴し、津地裁上野支部は03年12月、「解雇権の乱用で解雇は無効」として山田さんの社員としての地位を認め、解雇後の02年4月1日から判決確定まで、解雇当時の月額30万8200円の給与相当額を毎月支払うよう同社に命じた。同社はこれを不服として名古屋高裁に控訴していた。

和解では、同社は解雇の意思表示を撤回した上で、04年3月31日で雇用契約を解除。さらに、山田さんが07年6月までの定年まで働いた場合に支払われる賃金の約75%にあたる1400万円を解決金として支払うことで合意した。

山田さんは「不況ということで解雇すれば、会社は大きな負担を強いられるということを立証できた」と強調。一方、同社代理人の中山敬規弁護士は「1審判決の結果もあり、相手の生活も考えて和解に応じた」と語った。

2004/04/03 毎日新聞