就業規則の意見聴取

就業規則の作成にあたっては、社員の過半数で組織する労働組合(労働組合がない場合には、社員の過半する代表者)の意見を聞かなければなりません。

意見を聞くとは、「同意を得る」という意味ではないので、その意見に拘束されることはないと言えます。

法第90条の「労働組合の意見を聴かなければならない」というのは労働組合との協議決定を要求するものではなく、当該就業規則についての労働組合の意見を聴けば労基法の違反とはならない趣旨である。(S25.3.15 基収第525号)

労働組合又は労働者の過半数を代表する者の意見書に労働者代表の署名押印がないことを理由として受理しない向もあるようであるが、労働組合が故意に意見を表明しない場合又は意見書に署名押印しない場合でも、意見を聴いたことが客観的に証明できる限り、これを受理するよう取り扱われたい。(S23.5.11 基発第735号、S23.10.30 基発第1575号)

したがって、賛成であろうと反対であろうと、要するに労働者代表の意見書が添付されていれば、所轄労働基準監督署長は就業規則を受理し、また、意見が反対であっても就業規則自体の効力には影響しないことになります(法に触れる場合は別ですが)。

意見書には、労働者代表の署名または記名押印が必要です。

実際に意見を聴いたのだが、意見書への署名・押印を拒否されたときは、応じてもらえない経緯を説明した「意見書不添付理由書」を提出します。

意見を聴いたことが客観的に証明できれば、労働基準監督署長は受理することとされています(S23.5.11 基発第735号)。

意見聴取をしていない場合

もともと就業規則は、労働協約とは異なり、使用者が一方的に作成し、変更する権限をもっているものなので、意見聴取等の手続きを取っていない場合でも、労働者に対し何らかの方法で就業規則として周知され、適用されている以上は、労基法上の手続き違反になるものの、規則としての効力は有しているとされます。

シンワ事件 東京地裁 H10.3.3
従業員の代表としての資格を欠く者の意見書を添付して届け出られており、労基法90条に違反して無効である旨主張するが、従業員の意見の聴取手続について同条の規程に違反するとしても、そのことから直ちに就業規則の効力を失わせるものではないと解すべきである。

秋北バス事件 秋田地裁 S32.6.27
労働者の意見を聴かないで一方的に就業規則を変更したとしても、それが法令並に労働協約に反しない限りそれ自体は有効であって、その変更の効力には少しも影響がない。

京都市交通局事件 京都地裁 S24.10.20
労働者の意見を聴くことは就業規則の作成変更の有効要件ではない。

ただし、この場合、就業規則の不利益変更の内容自体が妥当であるか、別途判断してみることが必要です。


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